一昨日、日本郵政の田中稔氏との打ち合わせの際、唐突に、こんな事を言われました。
と、その前に田中氏とは、どんな人物なのか、少々説明しますね。
ダイレクトメールやリーフレットなどの紙媒体広告の専門家であり、
また、エクスパックを代表とする商品の開発、さらに、異業種とのタイアップ企画を立ち上げにも参画し
自社スタッフの取り組みを、テレビ局に売り込むなど各方面にて活躍しています。
さて、その田中氏から「知っています? 最近、コンビニが集客している事を」と聞かれます。
その集客とは、テレビコマーシャル以外の、紙媒体による行為を指しています。
確か、ファミリーマートが販売時間帯によって価格を変更する取り組みを実施した事は
新聞などで報道されていました。
また、コンビニと言いますとマーケティングに力を注ぎ、ドミナント戦略による出店が
その代表例であることは知っていましたが、コンビニの集客と言うのは想像つきません。
「これなんだけど」と田中氏は、一枚の年賀状を見せてくれます。
拝見すると、表面には「○○店のご近所にお住まいの皆さまへ」とあて先に書かれており
要は、商圏内の各世帯に配達された年賀状です。
しかも、年賀状と言えばお年玉クジが行なわれていますが、
それに加えて「○○店だけのオリジナル企画」とも書かれて、その内容が紹介されています。
一方、裏面を見ますと、4名のスタッフのイラストとニックネーム、
趣味、出身地などに加え、簡単なコメントもあり、どこか温もりを感じる印象を受けました。
ボーっと見ているオイラに対して
「この年賀状DMを配布した後の統計を見ますと、客単価がアップしているんです」
「お客さまが売り手の情報を知るだけで、購入点数や金額が高くなる好事例ですよ」
そのような解説も語ってくれます。
独身時代、毎晩、コンビニで酒と肴を購入してから帰宅していたのですが、
テキパキと行動するスタッフが1名おり、今でも、その顔は覚えており
さらに、オイラの中では勝手にチビノリダーと命名されていました(チビノリダー、ごめん)。
コンビニに入ると、声をかけてくれるスタッフの顔をチラっと見つつ
「おっ! 今日は、チビノリダーだ」と顔には出さないものの、心の中で思っており
それが、なんと言いますか安心感に繋がったと、今になって感じます。
それと、レジが2つ以上あるような場合、皆さんも行なっていませんか、
レジのスタッフを見ながら、並ぶ所を決めると言う事を。
オイラは現在、スーパーなどで行なっています(汗)。
つまり、これはオイラだけかもしれないので断定できませんが、
お客は売り手の顔、行動、接客態度をしっかり見ながらモノを買っていると思うのです。
であれば、お店側としてスタッフの情報を発信する事で、それが親近感に影響し
来店頻度が高まると同時に、購入単価も連動して向上すると考えます。
もしくは、知っている人がいる事で、滞在時間が長くなり、すると当然、購入品数が増える確率も高くなる。
それを、ついで買いって言うのか分かりませんが、そんな気がします。
しかも、コンビニの場合は、お店によって個性を打ち出す事が難しいので
唯一の個性である、そこで働くスタッフに興味を抱くのではないでしょうか。
スタッフが知らない人ばかりの場合は、目的のモノだけを購入して、そそくさと帰ってします。
オイラは専門家ではないので、好き勝手に書いていますが、そう思います。
さて、理美容業界の場合、ホームページやチラシ、DMなどを見ていて感じる事は
ヘアサロン側が伝えたい事ばかりを掲載する方法に、いささかの疑問を感じます。
「○○キャンペーン 実施中! ○月○日~○日まで。髪のダメージ修復!!」
と言うよりも、お客さまは、もっと身近な内容の方が知りたいのかも知れません。
そう。スタッフについてです。
コンビニよりもお客さまに接する時間が長いヘアサロン。
しかも、大切な頭と髪を触られるのですから、なおさらです。
オイラがヘアサロンの商品は「人」であると考える所以(ゆえん)も、まさにソコにあります。
毎月、新規客となって潜入取材を行なっていて気が付くのは、
ホームページなどでスタッフが紹介されていないケースは、案外多いのです。
欲を言えば、お客さまがスタッフを紹介していると、より効果的であると思うのですが。。。
一枚の年賀状から、そんな事を考えました。
そうそう。この田中 稔氏のご協力による新連載がもうすぐ、弊誌サロンオーナーでスタートします。
ヘアサロンの販促物をテーマにしていますが、ようやく明確なカタチになりつつあるので、
結構、個人的にも楽しみにしています♪
では。