理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

勝てる土壌で勝負する

昨晩の飲み会マーケティング総合研究所の活動場所は、東京・築地でした。

理美容コンテストの世界大会に出場した理容師さんと、刺身を食べつつ冷酒を飲みながら、

世界大会事情やコンテストなどについて盛り上がりました。

遠征諸費用などにより数百万円の借金が生じたのですが、至って前向きな理容師さん。

その姿勢が結構好きで、あーでもない、こーでもない、と色んなお話をいただけました。


一番印象深いのはウサギとカメの話です。

どうしてカメが勝ったのか。

これって、解釈が色々あるんですよね。

オイラ的に好きな解釈は、カメは最終ゴールをひたすら見据え、遅くても一歩一歩確実に前に進んだ。

一方、ウサギは周囲ばかり気にして、最終的な目標、つまりゴールを見ていなかったから、

周囲の目がなくなった途端、居眠りをしてしまった、という考え方です。

これは、人材教育にあてはまり、将来、自分はどうなるのか、もしくは、どうなりたいのか、

そこが明確になっている人は、絶対に伸びると受け取っています。

または、共産圏では、カメが途中で寝ているウサギを起こして、

一緒にゴールを目指すと言う考え方もあります。


しかし、昨晩の飲み会マーケティング総合研究所で聞いた話は、ちょっと違います。

「カメは少しでも勝てるように考え、その土壌でウサギと勝負したんです」

「短距離であれば、ほとんど勝てません。でもね、長距離だったら勝つ確率は高くなる」

「ですから、スタートラインに立った段階で、カメの思惑(おもわく)通りに進んでいたんですね」

そのように理容師さんは教えてくれました。


なるほど。そのような捉(とら)え方もアリですね。

戦国時代の織田信長は、奇襲攻撃で奇跡的に勝った桶狭間の戦いなどから、

その革新的な戦略が印象深いのですが、実は、確実に勝つ戦しかしなかったと言います。

例えば、経済が発展していた尾張(現在の愛知県西部)の兵士を中心とした織田軍団は、

他国の兵士と比べ弱兵であり、だからこそ当時の近代兵器である鉄砲を多く買付たり、

もしくは調略などによる寝返り、そして相手よりも多くの兵士数によって、

勝算が高い戦しかしなかったと聞きました。


カメと織田信長の共通点は、勝つ確率が高い土壌で勝負することを基本としていたのです。

これをヘアサロン経営に当てはめますと、自店の強みはどこにあるのか、

まずは、その把握(はあく)を行なう事が重要であると思います。

俗に言うSWOT(スウォット)分析ですが、強みと弱み、周辺環境の変化(チャンス的要因)、

そして脅威(きょうい)の再確認することで、自店が勝つ土壌はどこか、それが明確になります。


余談でありますが、母親が一人で経営しているオイラの実家の理容店をSWOT分析してみますと、

強み「女性理容師 ベテラン ふくよかな体型 無借金経営 貸切状態の店内 エステへの興味」

弱み「カット技術に対する苦手意識 パーマやカラーなどの流行技術 店の老朽化 立地」

周辺環境「商圏内にある高級住宅街 新築高級マンション建設 住宅街化」

脅威「長年の経営手法からの未脱却 業界の横の繋がり 頑固(がんこ)」

これらの強みと周辺環境を掛け合わせますと、

エステシェービングに力を入れる、もしくは特化したサロン経営が考えられます。


キャリアある女性理容師、個室状態のサロンなどの強みを活かし、

そしてカット技術などの弱みを切り捨てると、

そのような経営方法が自店が勝てる土壌である事が理解できます。

しかしながら、脅威の部分にあります長年の経営手法からの未脱却が強く、

売上の低迷を嘆(なげ)きつつ、オイラの提案になかなか踏ん切りがつかない状況が続いております。

ですから、もっか意識改革の提唱を地道に行なっているのが現状です。


ダラダラと書いてしまいましたが、このように自店が勝てる状況がいかに必要なのか、

そのような気付きをいただいたのが、昨晩の飲み会マーケティング総合研究所です。

研究委員は随時(ずいじ)募集中です!

次回も頑張ります!!


あっ!

当ブログは4年目を迎えました。

お付き合いいただいている皆様、ありがとうございます。

今後も頑張りまーす。