理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

TWBC 2009取材

まず最初に、今回、長文になってしまいました。ごめんなさい。


昨日と本日はTWBC 2009と言うイベントを取材させていただきました。

主催は理美容・デンタル機器メーカーのタカラベルモント㈱です。

このようなイベントの楽しみの一つに、オイラの場合、

お世話になっている方々に、挨拶させていただけると言う事を第一としています。


色んな方々に声をかけたり、かけられたり。

タカラ社の営業マンやタカラスペースデザインの社員、理容組合の職員さん

元弊社編集長、理容学校時の先生で今もお世話になっている先生

ディーラーさん、それにサロン経営者や、スタッフの人たちなど、色んな方とお話させていただきました。

大体、以下のような話でした。


今、セミナー講師を探している。

今度、新たなコンセプトで支店を出店する。

今年、結婚する。

会場内にはキレイな女性が多い。

一昨日の日記で情報提供をお願いさせていただきました東京・麻布の高級理容室粋然荘の情報。

理容店の今後のモデルケース。

(オイラの)仕事している風景を初めてみた(汗)。


色んな話を教えていただきますと、ほんと「何事も人ありき」と痛感します。

言い換えれば「人を蔑(ないがし)ろにすれば何もできない」となります。

そんな事を再確認させていただきました。

ありがとうございます。


また、もう一つの楽しみとしては、新たな御縁が生まれる場でもあると言う事です。

今回の最大のヒットは静岡・浜松の髪もようさんです。


もー何と言いますか、経営者の雰囲気からして独特と言いますか、楽しそうなイメージが伝わってきます。

パンフレットには「還暦(かんれき)前に、もう一勝負」と言うような内容が書かれており

非常に興味深かったのですが、想像以上に勉強させていただきました。


御子息との見解の相違から、同じサロンではなく出店と言う形で新たな展開を模索(もさく)し

しかも、自分を信じて、こだわりを前面に打ち出したヘアサロンを作るその姿勢、脱帽です。

昨晩、東京・神楽坂の伝統ある飲食店に行った髪もようの経営者は、こう語ります。


「神楽坂の店もそうだったが、老舗の店ほど新しいものに対してチャレンジしている」

「時代の最先端に敏感だからこそ、伝統が残るのではないか」と。


これ、以前の日経MJ新聞紙上で、老舗の和菓子メーカーである、

とらやの経営者も、同じ事を語っていました。

トラヤカフェが、その代表例。


で、もう一つ、オイラの心にズドンと響いたのが、次の言葉。

御子息との経緯についてですが「約30歳も違うと価値観が違って当然」

「サロンを託したいと言う気持ちにもなったが、職人なので、素直に認める言葉が出なかった」

「息子を認めているにも関わらず、言葉にできない。それが職人なんだよね」と。


今だから書きますが、この話を聞いた時、

亡くなった頑固一徹の理容師であるオイラの親父も、もしかしたら、そうだったのかな、などと思ってしまい

伝えたくても伝えられない事を知り、恥ずかしながら、ちょっと泣きそうになってしまいました。

まっ、まだ顕在の母親の方が、もっと頑固なのですが(汗)。


実家の理容店改造計画において、今後も母親と衝突(しょうとつ)する事も多々あると思います。

DNAが同じで性格も似ており、しかも親子なので気を使わない為、

喧嘩になるケースは想像に容易いのですが、親世代の心境を理解する事で、また違った印象にもなります。


子供意見を素直に聞きたいけど、条件反射で言い返してしまう。

この言葉を忘れないようにしていきます。


話は少し変わりますが、以前、全共闘世代の闘士の記事が産経新聞で掲載されており

そこでは「親世代と、もっとじっくり話をすれば、結果は違っていたと思う」

「正義は一つだけと信じていた当時。今になって思えば、正義は一つだけではない事がある」

「それは、年齢を重ねて初めて知った。だから、親世代ともっと話していれば、当時の行動も違っていた」

そのように振り返っていました。


今後、弊誌サロンオーナーで紹介していく実家の理容店改革計画では

頑固な母親の正義とオイラの正義、この擦(す)り合わせに対しても注意していきます。


またまた話は変わりますが、オイラの祖母(93歳)はニュース番組を見ており

残虐(ざんぎゃく)な事件が報道されていると「かわいそうだねぇ」と必ず言います。


ただし、その対象は被害者ではなく加害者です。

その理由を聞きますと「加害者にならざるを得ない状況を回避(かいひ)できなくて、かわいそうだ」

このような独自の見解を話してくれます。


勿論、犯罪を犯す事は許されませんが、そこには加害者なりの正義(正義とは言いませんが)があり

間違っていると知りつつも、実行せざるを得ない状況を回避できなかった事に対して

「誰だって、そんな事したくないのに。かわいそう」

「思い留めるように話をする人はいなかったのか」と祖母は言います。


犯罪は悪ですが、単純に加害者だけを悪と決め付けるのではなく、

その裏側にある、犯罪を犯さざるを得ない状況下に立つしかなかった事についても

考えてみる必要があるのではないか、とも聞こえます。


犯罪を擁護(ようご)すると言う考え方は更々ありませんが、

犯罪者もまた何かの犠牲に上に成り立っている事も考えられないか、と言う事を祖母から教えてもらいました。


話を戻しますが、ヘアサロンのマネージャーと言う立場の座談会形式のセミナーでも多々勉強になりました。

経営者でもなく、スタイリストでもないマネージャー、もしくはレセプショニスト(受付担当)。


技術や接客が一定レベルになりつつあり理美容業界。

であれば「失客はサロンの居心地にあるのではないか」「失客を防ぐ為の生産性にも着目すべき」

このような言葉を聞き、これまた勉強になりました。


偶然、聴講生の言葉が聞こえてきます。

色んなヘアサロンの取り組みを聞いたのでしょうか

「なんか、みんな新規を取ろうとしていないよね」と語っています。


勿論、新規客集客にも取り組んでいるとは思いますが

現段階では、新規客集客よりも、既存客の満足度を高め失客を防ぐと言う流れになっている状況は

オイラも今回、強く感じました。


「顧客データを見て客観的に判断する事も必要」

「でも、その段階では手遅れ。だって失客しているから」

「再来店されないお客さまにDMを発送する事は否定しないが、それ以上に行なう事はある」

「今、サロンに来てくれているお客さまに、どうするのか」

「だから、スタッフに嫌われても指摘するのがマネージャーの仕事」


かなり長文になってしまいましたので、この辺にしておきますが

最後は、髪もようの経営者の言葉で〆たいと思います。


「楽しく生きるには勉強が必要」



本日の感謝。

人との御縁が大切であると痛感した二日間。

このような場を提供してくれたタカラ社の皆様。取材させていただいた弊社。

そして、何よりも色々教えてくれた皆様に感謝です。

では。