昨日の日記の続きになります。
古田土(土に・)会計士事務所「経営塾」を取材させていただいた際、一枚の資料をいただきました。
テーマである年間経営とは違うため、その資料には深く触れていませんでしたが、
ちょっと気になる内容なので、紹介しますね。
「お金には色がついている」と言うタイトルで、このように書かれています。
経営危機の緊急時に、つまり手元の資金が50万円なのに支払が100万円となっている状況下には
お金には色がついていて、支払い順序が決まっている、と。
これを間違えると、経営環境は悪くなり、スタッフが一人二人減り…と言う悪循環になると考えます。
そのような状況を防ぐためには、どうすれば良いのか。
以下の1の支払重要度が一番高く、7に向かうにつれて、支払いを遅らせつつ
会社(ヘアサロン)の延命を図りながら、再建策を考えると言うが古田土所長の意見です。
では1~7までの優先順位とは何か。
1 手形の支払
理美容業界の場合、現金商売なので正直、あまり関係ありませんが、手形が不渡りとなれば倒産。
1円の不足も許されません。
2 スタッフの給与
通常、一時的に10~30%までは待ってもらう事が可能です。あくまでも、一時的な手段ですが。
3 材料代
50%位は待ってもらえますが、これも一時的な手段。仕入先(ディーラーさんなど)が小規模の場合
先に倒産してしまう可能性があるからです。
4 ヘアサロンを維持する為の最低限な諸経費
水道高熱費、テナント料などが、これにあたりますが、一ヵ月位は大丈夫です。
5 金融機関などへの金利の支払
金利は一部でも支払うべきです。融資先分類(以下)で不利な条件下にならないためにも。
6 租税公課
各種税金と、その費用などですが、一時的に滞納しても営業活動には支障がありません。
交渉によっては分割払いも可能ですが、差し押さえ等の強硬手段もありえますので注意が必要。
7 金融機関などへの元金の支払
銀行では融資先について次の4つの分類をしています。
第一分類 元本・利息ともに約定通りの返済をしている
第二分類 利息のみ約定通りの返済
第三分類 利息の一部のみしか返済していない状態
第四分類 元本・利息が返済できていない
第四分類に該当しなければ、会社(ヘアサロン)の再建の余地は残されています。
だからこそ、5の利息を少しでも支払いする事で、第三分類に留まり、
元本の返済条件を少なくする事で第二分類となります。
古田土 満所長の口癖は「銀行の貸し渋りに対して、返し渋りが効果的」です。
また「7から支払を行なう、つまり従来の支払順序と逆の行動を行なうケースは少なくない」とも言います。
銀行への返済を滞らせたくないために、親類縁者にお金を借り、
スタッフの給料を遅らせる事でモチベーションが低下し、退職者も出て来て
その結果、収益が減少、ますます返済に困る。
この流れだけは、避けたいものです。
この資料の最後には、このような一文があります。
「高利貸に手を出さざるを得ない状況になったら、会社を閉めましょう。手遅れです」と。
支払の順序を間違えると、結果は大きく違ってきます。
原宿や青山などのヘアサロンを見ていますと、コロコロと変わっているのですが、
もしかしたら、支払順序を間違えてしまったケースもあるのかな、などと思う今日この頃です。
では。