先週末、東京・八王子の美容師さんを取材。
その美容師さんは、美容室を4店舗経営しているのだが、各店舗とも同一エリアで業態が違う。
25歳以下のお客さまを対象にした店。
ヘアカラーに特に力を注いでいる店。
インテリジェンスな女性を迎え入れる店。
そして、オーナーが現場に立つイス2台の店。
これらから窺い知れる事は、エリアのお客さまと、一生涯のお付き合いを考えたサロン展開である。
お客さまの流れとして、上記4店舗の上から下へ顧客が移動するのだ。
当然、スタッフもお客さまと一緒に店舗を移る。
つまり、働くスタッフも生涯を通じて働ける環境下にある、と言う事だ。
各店舗とも、それぞれがブランドを構築しており、それが集客につながっている。
フラッグシップサロン、本店は上記3番目の、インテリジェンスな女性を迎え入れる店。
この店ではキャリア10年目以上のスタッフが常勤し、アシスタントもキャリアを持つ。
キャリアが浅いスタッフやアシスタントは、1番目の25歳以下の店で経験を積むと言う流れである。
全店舗を拝見させていただいたのだが、内外装やインテリアなどの雰囲気はもとより、
温度やBGM、スタッフの接客や服装なども各店舗で違う事が明確に窺い知れた。
一言で表現すると、見事に空気が違うのである。
「地域密着的なサロン展開と言われますが、そのように考えていません」と経営者は言うが、
「エリアのお客さまと生涯のお付き合いを考えた結果、そのように捉えられても致し方ない」とも話す。
一時期、キャリアが浅いスタイリストだけによるサロンの出店が流行した。
それらは、上記1番目のサロンと同じコンセプトだが、取材に協力いただいた経営者は、こう警告する。
「相談を受けて実際に出店した多くは、早い所では3ヶ月、少なくとも2年以内には撤退しました」と。
若者を主体としたサロンは、単体では安定経営は望めないため、
グループ全体としてのビジョンが明確にされていない場合、結果は厳しいとも述べる。
流行を追うだけと、経営理念とコンセプトが確立されたサロン展開では、
似ているようだが大きく違うと言う事を知った。
ヘアサロン経営とは、かくあるべきと痛感した今日この頃である。
では。