理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

愚直さで勝負する ジュンク堂快進撃の秘訣とは

10月22日に東京・お台場で開催された第21回東京ビジネスサミット2007では、

前回紹介したセミナーの他に、もう一つ受講・取材させてもらった。


座り読み歓迎、カリスマ店員など個性的な店舗展開で売上を伸ばしている(株)ジュンク堂書店

同社社長の工藤恭孝氏が講師となった「愚直さで勝負する ジュンク堂快進撃の秘訣とは」では、

ユニークな経営哲学が聞けた。

「自分が行なったことは、ほとんどが失敗。成功は失敗の副産物」と冒頭に話す工藤氏は、

自身の経験から得た経営哲学として「成功するにはリスクをともなうことを行なう。

そして、利益を追求するだけではなく、使命感が必要。

それが、誰から見られても恥ずかしくない経営となる」とも語る。


ジュンク堂一号店を出店した際、大々的な宣伝広告を行ない、大勢のお客さまを集客した。

「オープンから2~3日までは、宣伝効果のためか、多くのお客さまが来店されたのだが、

その後は客足が遠のき、いま思い出しても、当時の経営手法は恥ずかしい内容だった」。

当時の工藤氏には、書店経営の経験が少なく、300坪の店舗経営は

小型店舗が十数倍規模という発想に過ぎなかったという。

「品揃えは確かに多かった。しかし、並べ方に不備があり、お客さまは元より、

店員も本がどこに置いてあるのか把握していない状況だった」。

その後、同業他社からアドバイスを受けたり、独自に改良を加えて3~4回ほどレイアウトを変えた。

その過程で、売れるディスプレイとはなにかを学んだという。

「書店は棚を工夫しないと売れない。そこに気が付いた」。

自店だからこそ存在する、売れる仕組みを、改善を繰り返すことで見付けたのだ。

1号店オープン時の失敗から、工藤氏が得た経験はそこにある。

そして、2号店以降の経営に活かされる。
 

5年後、1号店が黒字となると翌年には2号店を出店した。

「場所が悪くてね。普通の書店では経営が成り立たないことは、想像に容易かった」。

そこで、専門書のみを取り扱う専門店という業態が誕生する。

「棚を高くして、専門書がズラリと並ぶ図書館のような内装にして、喫茶店も併設した。

すると、不思議なことに、しばらくして人材募集を行なうと、いままで以上に集まるようになった。

労働環境は決して恵まれているとはいえないにも関わらず」。

取り扱い商品を専門書に絞ったことで、必然的に本もしくは専門書が好きな顧客が集まるようになる。

そして、何度も来店するうちに顧客から、ファンと昇華したのだ。

「2号店から得たモノは多い。専門書と取り扱う版元との関係が深まった。

マスコミや地元から応援されるようになった。そして、ジュンク堂が好きなスタッフが集まった」。


これ以上書いてしまうと長文になり、読みにくくなるため省略させていただくが、

工藤氏の経営手法を聞いていると、行動を起こし予期せぬリスクに遭遇しながらも、

そこからメリットを見付け、そして次に繋げている事を繰り返し行なっているが窺い知れる。

そこが、冒頭の言葉「成功するにはリスクをともなう事を行なう」である。

失敗の積み重ねによって、成功へのヒントが導き出せると言った代表例。


ヘアサロンの支店出店方法などに役立つ情報が多く得られたセミナーであった。

では。