理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

キャッチコピーとブランディング

弊誌サロンオーナーには、ブックレビューと言う連載企画があります。

この企画は編集部のメンバーが一冊の本を読み、それぞれが感想を書きながら紹介する内容で、

各自の着眼点が微妙に違っており、個人的には好きなページとなっています。


今回は「田中義剛の足し算経営革命 北海道発大ヒットの法則!」を読んでいるのですが

これが、なかなか勉強になる内容ばかりで、ちょっと驚き。


中でも、生キャラメルの開発秘話の部分が参考になりました。

キャラメルと言うモノは日本人であれば一度は聞いた事があるお菓子。

形や味に関しても想像に容易く、食べた事がない人の方が圧倒的に少ないと思います。


つまり、「キャラメル」と言う部分に関しては、すでにブランドが構築されており

だからこそ「生キャラメル」と言う新商品が発売されても

従来から存在する商品の延長線上に位置する為、なんとなくではありますが、

その全体像が想像できるのです。

しかも「生」と付いている為、微妙に違いを感じ、それが興味に変わるとも書かれています。


要は、新製品のデメリットである知名度の低さを解消しつつも

従来の商品に対して新鮮味が加わると言う構図になります。


ただし「新キャラメル」と言うように「新」と言う文字には効果が薄く、

キャラメルが持つイメージの範囲内に納まってしまいます。

となれば、本来あるネーミングに対して微妙な距離感を保ちつつも、

どこかで繋がっているキーワードが効果的であるとも考えられます。


さらに、口に入れた時の感触が、今までのキャラメルの触感と違う為、

感動となりインパクトが強く、記憶に残り口コミ効果が生まれます。


そして、もう一点。

この生キャラメルを売り出す際には、あえて牧場名を先に持ってきた点にも計算があると書かれています。

牧場ブランドが高まる事で、他の製品の認知度も高まり、一つのヒット商品によって

全体のブランディングへと繋がり販売量に影響してくるともしています。


理美容業界でも同じようなケースは多々あります。

デジタルパーマや冷しシャンプーが、まさにソレ。

パーマとデジタルの関連性はどこにあるのか。

シャンプーと冷やしの関係は?

多くの消費者は、まず最初に、そう感じたと思い興味を抱いたとも考えられます。


しかしながら、生キャラメルとの決定的な違いは、

生産地のブランディングに波及していないという点。


数種類のトリートメントで髪にダメージを残さない○○美容室のデジタルパーマ

毛穴の皮脂を取り除き、マッサージ&育毛剤で頭皮の健康を守る○○理容室の冷しシャンプー

とするだけでも、また違った結果になると思います。

少々、強引な考えですかね(汗)


兎にも角にも、キャッチコピーとブランディングの連動性を生かしたアプローチ方法について

勉強になった一冊です。

では。