昨日は、ロレアルプロフェッショナル主催のマーケティングセミナーを取材した。
同社のセミナーは充実しており、特にマネージメント系は多種多様開催されている。
今回は理美容業界のみならず、酒販販売業界やファッション業界などのコンサルタントで活躍している
中小企業診断士の畑中修司氏が講師となり、顧客データ(アンケート結果)の分析方法が主な内容。
現在では顧客を年代別に分類するのではなく、
趣味嗜好やファッションテイストから分類する方法が多くなっていると言う。
その根拠として、親子で服を着まわすと言った事も珍しくないからだ。
「高度成長期は地域の所属意識が強く、安定成長期ではマンションに住む家族が増え、
結果、会社への所属意識が働いた。そしてバブル景気が崩壊した後は終身雇用が終焉を迎え、
同一の趣味嗜好を持つ人たちのコミュニティへの帰属意識が高まった」と畑中氏は価値観の現状を語る。
顧客データは集めるだけではなく、活用してなんぼ。
では、なぜ集める必要性があるのか。
「自店を数字によってジャッジする。経営者の思い込みではなく、数字からリアルな現状を知るため」
としつつ「コンサバなテイストの顧客が多いのであれば、
技術トレーニングもコンサバなヘアスタイルを中心に、まずは徹底する必要性がわかるから」と話す。
要は、自店の強みを知り、さらに高めるには何を・どのように行なうべきなのか、そこが明確になる。
さらに、いつ行なうべきなのか、その点も顧客データを集める事で理解できるとも付け加える。
「顧客層は時代と共に変化させないと行きつく先は先細り。データを見る事で変化するタイミングに気が付く」。
ここで一つの疑問を抱く。自店の強みを知るには、どうするのか。
「同業他社と比べる事で勝っている点、劣っている点が浮かび上がる」。畑中氏は、そのように述べる。
すべての内容を書いていると長文になり読み難くなるため、ここでは割愛させていただくが、
成長する企業やヘアサロンに共通している事は、改善を繰り返していると言う言葉が印象深い。
「スタッフ一人ひとりの行動と目標に対しチェックし、改善項目を見出して、次なる目標を設定する。
そして行動する。その後チェックして、再度、改善項目を発見する。
この繰り返しが実施されている限り、成長する」と。
その改善項目の判断基準が他ならぬ顧客データなのだ。
以前、こんなたとえ話を聞いた事を思い出した。
「顧客データを見ないで経営戦略を考えている事は、暗闇の中で野球を行ないホームランを狙っている事と同じだ」と。
それは言い換えれば、成功する確率が限りなく低いとなる。
サロンの栄枯衰退のキーワードは顧客データの収集と分析、そして活用である。
そんな事を感じたセミナーであった。
では。