今週、月曜日に福岡で開催されたコスモビジネスフォーラム2007を取材した。
技術や人材育成、マネジメントなど計10ものセミナーが開催された。
なかでも、一番興味深かったのが「人こそ経営基盤! ソリューションマネージメント」と言うセミナー。
講師はデータ復旧センター代表取締役社長の藤井健太郎氏が務めた。
学生時代に起業した藤井氏は、社会人としてのルールなど皆無な状況下、営業に出る。
そこでは当然、名刺の渡し方や、打ち合わせの際の席順など、初歩的な事すらも相手に注意され、
多くの人から怒られつつも、一つひとつ学んだと言う。
その後、自信過剰となってしまい社員のストライキが勃発。
そして、人材育成や管理の重要性に気が付いた、としている。
同社を起業してからの数年間は、売上が横ばい。
しかし、ある時期を境として急激に売上が伸びる。
2倍・6倍・10倍・・・と言った具合に。
なぜ、そのような成長曲線を迎えたのか。藤井氏は、このように語る。
「売上が横ばいの時期は、私が営業に行き、現場の作業を率先して行なっていた。
現場の仕事が好きだった事もあるが、とにかくパソコンのデータの修復に没頭していた。
しかし、当時のアルバイト(現役員)に、それは社長の仕事とは違うと指摘され、
その後、現場は社員に任せ、私は社長業に専念した」と言う。
社長の仕事とは何か。
「会社の将来を考え、3年後・5年後・10年後には、どのように成長しているか。
一緒に働く社員は、どんな人間に成長しているのか。
それらを実現するためには、今、何が必要なのか。
改善箇所は、どこにあるのか。また、どうすれば改善できるのか。
そのような事ばかり考え、実行した」と、藤井氏は述べる。
売上が向上し、社員の人数が増えるにつれて、コミュニケーション不足が目立つようになる。
その延長で、人間関係の問題などから、ギクシャクした空気が社内に立ちこめてくる。
それを解消するために考えられたのが「星の日」と言うイベントだ。
「毎月一回、社員が一同に集まり、その席上で、一人ひとりが一ヶ月の間で、
一番お世話になった同僚や上司、部下に対して、感謝の言葉を書いた手紙を読み、
そして自ら相手に手渡す。
短い文章でも構わないが、感謝の理由と言葉を書く。それを全員で共有する。
もらった社員はデスク周辺に貼っておくのだが、それは手紙ではなく、
星の形をした紙に書いてもらうので、当社では、このイベントを星の日としている」。
社員一人ひとりが、どのような仕事を行なっているのか、それは案外、
知られているようで、知られていない。だからこそ、不平不満が生まれてしまう。
あの人は、私よりも仕事量が少ないのに、給料は私よりも多い、と言うように。
この星の日イベントを行なうことで、いま・だれが・なにを・どのように行なっているいるのか、
それらが共有され、結果、相手を理解しようとする風潮が社内に広まったとしている。
売上が向上したとき、人の大切さやパワーについて気が付いたと言う藤井氏は、
最後にこのように締めくくる。
「仕事は一人で行なうと作業。みんなで行なうから仕事になる」と。
また一つ勉強になった。