理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

とらぬ狸の皮算用

昨日は、群馬県と東京のヘアサロンを取材した。

新規出店にまつわる事をテーマに、色々と教えていただいた。

この2店舗の経営者に共通しているのは、融資が満額受けられたと言う事。

聞けば、事業計画書を書く際に、貸して側の立場になったと言う。

開店後、1日に何人来店し、顧客単価がいくらで、毎日、毎月、そして年間を利益を予想して、

そこから、いくら返済できる。

そのような事業計画書ではない。


もしオイラに「ヘアサロンを開店したいから、お金を貸してくれ」と言う知人がいたら、なんと聞くだろうか。

自問自答してみた。

まず、勝算があるのか。

それと、返済できるのか。

そして、上記2点の裏づけである。

1日何人のお客さまが来店され、売上げと利益はいくらなのか。

さらには、その根拠も聞きたい。

どうして1日に4人のお客さまが来店されるのか、と。

そこに明確な理由が存在しないと、所詮、とらぬ狸の皮算用となるからだ。

自分の技術と感性に自信があるから。

そんな理由では、決してお金は貸さない。


冒頭の2店舗の経営者は事業計画書には、来店客数と理由が詳細に、なおかつデータも添えて書かれていた。

まず、商圏内の人口や年代別に区切った人数を基に、何%のお客さまが来店されれば、売上げはいくらになる。

近隣の競合店舗の数や業態、対象顧客とスタッフの年齢構成なども調べられている。

その上で、自店の技術や業態の強みを加えたマーケットシェアを想定して、

何名の見込み客がいるから、何人来店されるとも記されている。


なるほど、ここで分かった。

事業計画書とは、経営者としてセンスが問われる格好の判断材料なのである、と。

経営者は自信があるから新規出店するのだが、その自信が客観的なモノなのか否か。

そこに明確な説明が書かれていない事業計画書には、やはり信憑性が欠けてしまう。


以前、ヘアサロンを多店舗展開している経営者が、このような事を言っていた。

「融資を受ける際、お金を貸してくださいと、頭を下げてお願いするばかりでなく、

儲かる話があるから、あんた一口乗らないか。そのように誘うのが融資である」と。


また1つ勉強になった。

では。