この物語は、著者のご好意によりRIKEI(理美容教育出版社発刊)2003年9月号から11月号にて掲載した原稿を、当ブログに転載させていただきました。毎週金曜日にアップしていきます。
理容組合は生まれ変われるのか、改革を目指した男たちの記録
著 吉田裕幸HIRO・YOSHIDA(OFFICE・HIRO主宰 )
全理連業界振興論文最優秀賞受賞
改革の柱が、支部再編成である。
十数名から四百名まで、地域もタイプも違う十五の支部が、ほぼ同じ規模の三支部に統合された。
これにより、支部としての機能や力は飛躍的に高まることになる。
とくに期待されたことは
①予算が大幅に削減されて無駄がなくなる。
②情報や人材の共有で組合運営が充実する。
③運営の合理化により地区役員の負担が削減される。
④地域格差による偏りがなくなり、組合員としてのメリットを公平に受けることが出来る。
⑤経営支援の体制が整う。
ことなどである。
しかし実際には、いまだに混乱が続いているようだ。
平和に暮らしていたご近所が、いきなり壁を取り払って、共同生活に入ることになった。
金庫もテレビも、台所やトイレまで共同では、やはり無理がある。
元の家族単位でスペースを確保しながら、徐々に慣らしていくしかあるまい。
ただ、大所帯になることによって、食料はまとめ買いをすることが出来る。
家賃や光熱費も、個人負担は少なくなるはずである。
さまざまな技能をもつ人達が現れて、お互いに力を貸しあうこともできる。
そのことは、共同生活のリーダーが、わかりやすく伝えなければならない。
つづく
第二部第六話 嘆き
http://blogs.yahoo.co.jp/eroisamurai/39779315.html?type=folderlist