理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

初めてのお葬式 最終話

お焼香の際は、本当にドキドキしていた。

終盤に差し掛かると、受け付けのお手伝いをしてくれた人たちがお焼香をしてくれたのだが、

その人たちの中に、例の父の親友と言われている人はいない。

という事は、受け付けの人員は限りなく少ない事になる。

手癖が悪い(と言われている)父の親友には、絶好のロケーションやんけ!

「あ゛~、絶体絶命だぁ~」などと思っていると紙袋を持った人が3人来る。

香典管理係りの3人だ。

・・・あれ、香典管理係りの一人が違う。

よく見ると、そう、手癖が悪い(と言われている)父の親友が持っているではないか。

唖然(あぜん)としたが、母の方を見ると「あ」と言った顔をしている。

嫁、妹も同じだ。

お焼香タイムが終わり、香典が入った紙袋を受け取ると、

「ここまでは金額合っているから、あとは目を離すなよ!」と言ってくれる香典係りの2人。

この後は香典が入った袋を別室に置き、交代で番をしたのだ。

翌日の告別式が終わり親戚一同が帰ると一息つく。

そして母と嫁、そしてエロ侍で、香典の金額をチェックしたのだが・・・、

何回数えても1万円足りない(泣)。

数え間違いなのか、それとも何かの記入漏れなのか不明だが、

金額が合わない事は事実。

「まぁ、授業料としましょ」と言う母の一言で、その件は終了した。


初めてのお葬式は色んな事がある。

そして何よりも、人の温かみを改めて痛感した。

特に、住職の最後の言葉は忘れられない。

「故人が一番辛いのは、存在を忘れられること」

忘れませんよ、現にネタにしてるからね。


そうそう、母に父の親友さんと故人の関係を聞いてみた。

すると「ただの友達だよ」と一言。

父の親友だと思っていたのは、人違いだったみたい(汗)。


初めてのお葬式 終了