仕事柄、ヘアスタイルの撮影に多く立ち会う。
ヘアスタイルを創るプロがスタイリングする訳だから、当然、かっちょ良くなるはずだ、はずである。
でも、「なんかヘンだな」と思ってしまうヘアスタイルに遭遇する事が、ままある。
カメラマンのテクニックでは、カバーできない位にヘンなときもある。
スタイリストさんが緊張しているのか、こちらの意図を理解していないのか分らないが、
修正すればするほど、どんどんヘンなヘアスタイルになるのである。
もちろん、そんな撮影であがった写真は観れたモノでない。
誌面レイアウトを行なうデザイナーが、どんなに頑張っても、素材がヘンなので、どうしようもない。
このようなヘアスタイリストに共通しているのは、モデルの顔や表情を観ていない事だと思う。
そして、全体が観れていないケースであることも考えられる。
要は「似合っていない」のだ。
特に、レングスの幅が短いメンズヘアにおいては、似合うゾーンは限られるが、
それを見つけるのがヘアスタイリストの仕事である。
逆に言えば、モデルが似合う要点さえ抑えてあれば、あとはアレンジが可能なのだ。
以前、人物撮りが巧いカメラマンがボソっと言っていた。
「人の顔や仕草は、どんな人でもベストアングルはある。それを見つけるためには、モデルをよーく観る事だ」と。
理容師さん、美容師さんで撮影を行なう場合は、モデルさんの顔を、よーく観てからヘアスタイルを創って欲しい。
風俗店に行った際、女の子の写真をじーっと観る位、集中して観ていただきたい。
きっと似合うヘアスタイルが見つかるから。
そうそう、これはウイッグにも言える。
よーく観てください、ウイッグを。一つひとつ顔が違うから。
では。