理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

ヘアサロンの年賀状とプレゼント

昨日の日記の続きです。


東京・清瀬にある鉄道マニアが経営する理容店BBつばめさんに行った話ですが

まず最初に最寄駅から、同店までには計16店舗のヘアサロンがありました。


理容店が5店舗、1000円カットの専門店が1店舗、2000円未満の美容室が1店舗、それと美容室が9店舗。

駅から徒歩約10分と言う距離のため、ヘアサロンは多くなりますが、

それにしても、多過ぎと言う印象を強く受けました。


さて、つばめさんで得た今回のネタは2つあり、それぞれを紹介させていただきます。


施術中のお客さまが1名。

エイティングスペースにある特急列車と急行列車のイスに、それぞれ1名のお客さまが座っており

鉄道談義で盛り上がっています。


なので、最近の取り組みについて、奥様に教えてもらいました。

まずは、コレ。


イメージ 1


同店に届きました年賀状を展示されています。

見た瞬間に「うまいよなぁ~」などと言ってしまいましたが、

鉄道マニアの顧客が多いので、年賀状にも、それぞれコダワリを強く感じます。


だって、ほとんどが電車の写真がメインなんですもの。

この年賀状ギャラリーを見た鉄道マニアのお客さまの心境を察すると、こうなると思うのです。


「へぇ。このアングル良いよね」

「いやいやいや。こっちの車両は、なかなかお目にかかれないよ」

「おっ! この電車って、まだ現役なんだ」


想像の範囲ではありますが、おそらく、こんな感じで盛り上がったと考えます。

そして「来年の年賀状。みんなに負けないように、何か考えようっと」と思うのではないでしょうか。

となれば、また年賀状の数が増え、質も高まる。


で、再び年賀状ギャラリーが行なわれる。

それを見た人たちが…と言うような繰り返しになるのは想像に容易いですよね。


少ない経費で、お客さまが楽しめる。

そして、もしかしたら1月に来店を促す効果も考えられます。

しかも、低予算で。


さらに、恒例行事となれば、何もしないで自然とレベルが高まっていく。

恐れ入りました。


面白かったネタ第二弾は、コレです。


イメージ 2


来店されたお客さまには、最後にちょっとしたプレゼントをしています。

寒い時期には、ホッカイロ。

女性のお客さまには、ハンドクリームだそうです。


でね。

「ありがとうございました。はいコレ」

と手渡すのではなく、サイコロを振ってもらい、出た目の数だけプレゼントしていると言います。


「だって、普通にプレゼントするよりも、面白いでしょ」と施術中の経営者が話します。


お客さまは、最後の印象や感情というモノには、案外覚えているので、

それが口コミキーワードになるとも言われています。


以前、紹介させていただきました魔法の3ポイント・スタンプカードも、

その心理を意識して活用しています。


つばめさんのサイコロも、同様の効果が考えられ

「おもしろい」「得した」と言ったキーワードが残るとも思うのです。


もっと言えば、少々大袈裟(おおげさ)かもしれませんが

サイコロを振った時のドキドキ感が、恋愛感情に似た心理に働くことも充分考えられるのです。


顧客管理と来店頻度の短縮化。

口コミキーワードの明確化。

この二つに対する、つばめさんの取組を目の当たりにしました。


オイラは常々、真剣にこのような話を弊誌サロンオーナーや、当ブログで書かせてもらっています。

「鉄道マニアを意識した理容店BBつばめは、理美容業界的にはお笑い路線かもしれない」

「正攻法の経営ではない。でも実は、物凄い仕組みが構築されているヘアサロンだ」と。


ちなみに、4月からは某CS放送の鉄道マニアを対象とした

レギュラー番組における撮影場所に決まったとの事。

毎月、つばめさんの店内で撮影が行われるらしいのです。


これ、思いっきり宣伝効果が高いです。

しかも、経費は無料。


「CS番組って、レギュラー番組とは言え地上波とは違い、週に何回も放送されますよね」

「それだけ露出回数が高くなるんです」

経営者の奥さんは、そのように教えてくれます。


松下幸之助が、確か顧客を絞り込むと奥深くなり、それが商売の原点みたいな話がありました。

なんて言っていたのか・・・完全に忘れています(汗)

この部分に関しては、明日、書きなおします。


要は、つばめさんの経営戦略と似ていると思った今日この頃です。

どちらにしても、経営に遊び心は必要だと言われていますが、その代表例であると思いました。

では。