理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

お客とスタッフを見ると言うこと

近所にスーパーがあるのだが、なにかと利用しておりとても重宝している。

そこには、パートやアルバイトなど多くのスタッフが中、ちょっと気になる人がいる。

決して、巨乳だからと言う不純は理由ではない。

もちろん、堀江しのぶ似の子でもない。

オバチャンなのだが、店内イベントが開催されればハッピ姿に、ねじりハチマキして、

子供を見かけたら気軽に声をかけ、風船を手渡したりしている。

試食品なんかは、ガンガン配っている。

普段は、客案内をしたり品出しなどを行なっている光景も見かけ、

混み合う時間になるとレジ付近でカートの整理をしている。

そのオバチャンを見ると、なぜだか安心するのはオイラだけではないと思う。

その理由として、なんとなく話しかけやすいからで、なにか困った事があれば、

気軽に相談できるオーラが漂っているのだ。


先週、ダイニングバーらしき業態の飲み屋に行った。

20~30代の顧客を意識しているらしく、落ち着いた感じと言うよりも、

カジュアルな雰囲気で賑わいをみせていた。

いつものクセで、一緒に行った人たちと話をしながらも

店内を見回したり、スタッフの行動をチェックしてしまう。

すると、ホールスタッフとは明らかに違う行動をしているスタッフが目にとまる。

オーダーを聞くわけでもなく、飲み物を運ぶと言う行動も少ない。

ひたすらテーブルを周り、お客さんに何やら話しかけているのだ。

ユニフォームの色も、そのスタッフだけ違う。

店内にはダーツがあり、テーブルを離れてちょっと遊んでみた。

2ゲーム行ないテーブルに戻ると、そのスタッフが笑顔で「ダーツ、どうでした?」と話しかけてくる。

絶妙なタイミングだなぁ、と感心しつつ色々と話しているうちに聞いてみた。

あなたは何者なんだ? と。

一瞬、困った表情になった所に若さを感じたのだが「ホールかなぁ」と言う返事をいただけた。

恐らく、ネーミングまでは決まっていないのだが、とりあえず、

必要性をその店が感じて設けられたのだろう。

「じゃー、ネーミング決めちゃおうか」などと話していると、ガチャンを大きな音がする。

誰かが食器を落としたのだろう。

「はい。お仕事ですよ」と促すと笑顔のまま軽くあいさつをして、

音がする方向へと早足で向かう、そのスタッフ。

見れば、食器を落としてしまったお客さんに声をかけて、

手の空いているホールスタッフを呼んだりしている。


先日、行った寿司屋。

付近の居酒屋情報に疎いため、結果、駅ビル内にある店を選んだ。

出店に際して厳しい審査がある駅ビルに出店したのだから…

と、何となく安心感を抱いたからだ。

複数だったためテーブルを希望すると、すぐに席が空くから

ほんのちょっと待って欲しいと告げられる。

待っていると5分…10分過ぎてもホールスタッフに呼ばれる気配がない。

と言うか、ホールや板さん同士が雑談している光景が目に入ってしまう。

しばらく、スタッフの行動を観察していても、目が合うスタッフはいない。

「何分待たせるんじゃゴラァ!」ビームを発信していたのだが、誰も受け止めてくれない。

スタッフがお客をまったく見ていないのだ。

しょうがないので目の前を通りかかったホールに「いつまで待てばよいのか」と聞くと

「はぁ? あんた誰?」という表情を一瞬見せたので、店を後にしようとしたら、

「では、こちらへどうぞ」と言われしまった。

刺身の盛り合わせを頼む際、盛り込まれる刺身は何かと聞くも

残念ながら明確な答えは得られなかった。


以前、コンシェルジュという立場のスタッフを配置している

ヘアサロンの幹部スタッフを取材した際には

「店長は自分の顧客を担当している際、他のお客さまの表情、

スタッフの動きを完全に把握できない。

フロントも同じ。電話受付やウエイティングスペースのお客さまの案内など忙しい。

だから、本当の意味でサロン全体を見渡す事ができるコンシェルジュと言う立場が必要だ」と語る。


前述の近所のスーパーやダイニングバーと比べ、駅ビルの寿司屋は印象が大きく違う。

その理由として考えられるのが、全体を見渡す人物がいるのか、そうでないか、である。

お店の規模、働くスタッフの数に比例して、その必要性は高くなるのだが、

当然、顧客満足度やリピート率にも関係してくる事は想像に容易い。

今後、理美容業界に限らずコンシェルジュ的なスタンスが必要とされると思うのだが、どうだろうか。

などと偉そうに評論家みたいな事を書いてしまった(汗)。

では。