理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

コロナ騒動で休業しない従業員3名の美容室。先週末。土・日の客数は計4名に激減。それでも営業する理由を経営者が語る

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緊急事態が発令された某県で、10年以上営業している従業員3名の美容室。休日の自粛要請の影響だろうか、週末の土曜日と日曜日の来店客数は合計4名。経営者(40歳代)は開業以来初の出来事に驚きを隠せない。とは言え、現状では営業自粛を考えていないと言う。その理由はいかに。


――緊急事態発令に伴い、自主的に休業する美容室が増えてきました

「えぇ。確かに多くなりましたよね。当店は休業しませんが」

――なぜですか

「みなさん薄々感じていると思います。コロナ騒動が5月6日までに収束しないかも、と」

――予断が許さない状況が続いています

「収束しない場合、5月以降も緊急事態が続くことになります。緊急事態に伴い休業したお店は当然、休業期間延長に」

――確かに

「5月以降、髪が伸びて理容室や美容室を利用したいと思う顧客は多くなります」

――とは言え、行きつけの理容室や美容室は休業中

「その時、休業店舗の経営者はどうするのか。休業延期か否かの判断に迫られます」

――難しいですね

「であれば、緊急事態を休業理由にしない方が良い」

――と言うと?

「最初から、緊急事態宣言の解除以外にも稼働できる理由を用意したいです」

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――その考え一理あります

「そもそも、休業するのであれば伝えるのは顧客だけで充分。顧客以外の目に触れる場、例えばSNSで公言する必要はありませんし」

――外(見込み客)ではなく内(顧客)への情報発信ですね

「そのように色々と考えた際、休業要請の対象ではなく、休業する理由が少ないので当店は通常営業しています。今は来店客が激減していますが、客足が戻る5月以降、緊急事態状態が続いても営業できるために、休業しません」

――休業しない理由が分かりました

「空き時間には、5月以降に起こる時流の変化への対応も行なっています」

――5月以降の変化?

「公共交通機関を利用して商圏外の美容室に通っていた方が、商圏内の美容室を探すようになります。いや。すでに始まっています」

――具体的には何を行なっていますか?

「ウエブ販促では、集客サイトに掲載している宣伝文句を少し変えました。『他店との併用可能』など、一時的にでも当店を利用出来ることも盛り込みました」

――今はコロナ騒動の先を見据えた準備期間ですね

「はい。そのように考えると取り組むことは数多くあります。とりあえず今は、5月以降に高まる顧客の来店願望への準備、そして見込み客への情報発信が重要となります」

――また何かありましたら、みんなと情報共有にご協力を

「えぇ。恐らく色んな新発見が得られると思いますので、楽しみです」

【編集後記】

最後までお読みいただき、ありがとうございます。今回教えてくれた美容室経営者とは約20年のお付き合い。インスタグラムでは、ある分野でちょっとした有名人でもあります。時流を見定める勘の鋭さは健在。そのような経営者が、5月以降の集客方法として紙チラシの話になった際、前のめりになり(恐らく気付いてはいないと思いますが)興味を抱かれたのが意外でした。恐らく、紙チラシが地味に活躍することに感付いたのでしょうか。

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【この記事を書いた変な理容師の紹介】

關口和彦(せきぐち・かずひこ)。厚生労働大臣認定 管理理容師。でも理容室経営してません。中央理美容専門学校 基礎科・高等専門科・大学科卒業後、都内の理容室勤務を経て理美容教育出版株式会社入社。理美容業界誌編集を約16年行ない、独立。雑誌編集感覚で小さな理容室の紙チラシを作ったり、理容室向け経営講習会 理容師カフェ 開催を通じて繁盛理容室の成功実例を共有。時々「理容室の成功事例を話せ」と振られると 紙チラシ集客の効果が平均値7倍を達成している一連を紹介しています。また、最近は理美容専門学校の機関誌編集も担当。2018年に立ち上げた 髪の専門医師と理容師の協業展開 では理容室と病院が連動。男女問わず薄毛のお悩み解消に取り組む。提携中の薄毛治療クリニックで処方されている育毛・美肌 医療サプリメント ハエル 取り扱い中。47歳。東京・練馬区在中。「理容師カフェ」で検索されれば過去の取り組みが表示されると思いますので、詳しくはソチラで。