理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

あなたの店に忍び寄る税務署員最終話

いよいよ最終回となりました。

主人公は追徴課税を支払うのでしょうか?

それとも・・・。

ちょっと長くなってしまいましたが、最終話スタートです。


デニム「○○さーん、ちょっとこっちに来てもらえませんか?」

タッタッタッタッタッタ…走る私

私「ハァハァハァ…、な、何ですか?」

デニム「現金出納帳を見せてもらうことはできますか」

私「げ、現金出納帳ですか(軽く演技)。えぇ~っと、どこだっけなぁ。

確か、あそこにあったと思うけど。ちょっと待っていてくださいね」


数分後


私「すいません、お待たせしました(汗)。これが、現金出納帳です」

デニム「ちょっと、拝見」


しばらく、沈黙が続く


デニム「で、この出納帳に書かれている金額と、手持ちの現金は一緒ですか?」

私「さぁ、そこまでは分かりませんが、一緒に金庫も持ってきましたので、確認してもらって構いませんよ」

デニム「………(汗)。ピッタリとは言いませんが、確かに金額は合っています。

ほ、本日は時間も限りがありますので、この辺で帰ります。

ただ、過去一年間の領収書はチェックできませんでしたので持ち帰ります。

一週間後、また来ますので、領収書関連はそのときに聞きます」

私「わかりました」


一週間後


私「おはようございます。あれ? 本日は3人ではないのですか?」

ジーン「デニム主任は、急遽、上司のドレン課長補佐と別件の調査が入りまして、

本日はスレンダーと私の二人なんです」

私「…そうですか(邪笑)」



その後、私は領収書について、いくつか質問をされた。

それは、彼ら税務署員たちは決して口にはしなかったが、形式的なものに過ぎなかった。

そう、この時点で私は「シロ」と判断されたのである。

過去、税務調査が行なわれた場合、疑わしき部分が何もなくても「お土産」として称して、

少なからずの追徴課税を支払うと言う話を聞いた。

しかし、われわれの血の滲(にじ)む経営努力の結果、得られた真っ当な売上げを、

そのような悪しき習慣によって、奪われて良いのか。答えは「NO」である。

第一話冒頭にも書いたが、売上げを誤魔化したら、追徴課税を支払うのは当然である。

売上げを誤魔化したために、税務署員にイニシアチブを握られ、

言われるがままに、不当な追徴課税支払い命令を受けた理容店経営者たちを数多く知っている。

彼ら理容店経営者に共通していることは、鋭い質問責めにあい、

気持ちがネガティブになり精神的苦痛にみまわれた。

そして、頃合をはかって税務署員は次のように言うのである。

「この領収書、経費でないことを認めてくれたら、この辺で終わりにするよ」と。

もう終わりにしたいという経営者の弱みに付け込むのである。

すると経営者たちは、その取り引きに応じてしまうのだ。

がしかし、手打ちににしたはずが、後日、税務署員から連絡が入り

「あの金額では上司が納得しないんです。ただ、別の領収書も経費でないことを認めてくれれば、

納得してくれるのですが…」と追い討ちをかける。

ここまで来れば、もう認めざるをえない。「分かりました」というだけである。

結局、あるはずの売上げを、ないとしたばかりに、税務署員に付け込まれ、

支払わなくてもよい大切なお金まで、取られてしまうのである。

平成16年度から始まった消費税免税点引き下げにともない、税務署員たちは、

売上げ1000万円規模のサロンをチェックしている。


そう、あなたのサロンも狙われているだ。


シリーズ あなたの店に忍び寄る税務署員 終了

協力 某県の理容師

企画・構成・執筆 エロ侍


次シリーズ予告

ボクのお店ができるまで―不動産屋にだまされるな!―