理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

松平信綱(知恵伊豆)がヘアサロンを経営したら

なんか、物凄く長文になってしまいました。すみません(土下座)。


松平信綱(まつだいら・のぶつな)、通称・知恵伊豆。以下、知恵伊豆としますね。

今回も戦国武将ではなく、江戸幕府の老中(現在で言う大臣)を務めた文官(政治家)タイプの武士です。

タイトルと違い、申し訳ありません。


松平信綱徳川幕府の三代将軍・家光の小姓に任じられ、その後は出世街道を驀進(ばくしん)。

朱子学(親や勤務先を大切にすると言う考え)が定着した江戸時代。

武士の務めは、主君に対して忠節を尽くす事が第一。

当時の権力者である、徳川家の思想統制でもあるのですが、そのような時代に

今回の主人公、知恵伊豆が活躍しました。


現存する資料からは、政治的能力が高く評価されていますが、それ以外としては

天草四郎時貞が中心となった島原の乱キリシタン一揆)では、

鎮圧後、討ち取った敵将の数を、速やかに調べ上げた話が有名です。


事前に用意していた大量の笹の葉を家臣に渡し、討ち取った首の口元に笹の葉を入れるように命じます。

そして、帰ってきた家臣が持っている残った笹の葉を再び集め、そこから逆算したと言います。

2千枚の笹の葉を家臣に渡し、残った笹の葉を回収したら5百枚だったので、

討ち取った首は1千5百名という感じです。


また、慶安の変由井正雪の乱)では、知恵伊豆の家臣の家族が反乱一味に加担しており、

裏切りをもって情報を提供させるように仕掛け、結果、未然に防ぐことになりました。

これらの乱には多くの浪人が加担しており、江戸の城下町から浪人衆を排除しようと試みるも

同僚の老中・阿部忠秋に「天下を治めることこそ幕府の仕事。江戸の治安だけが幕府の仕事ではない」

「追放よりも職の提供こそが浪人衆の対策」と正論で反対されてしまいます。


さらに、明暦の大火(かなり広範囲の大火事)の際には、

4代将軍・家綱を江戸城から非難させる事を提案するも

またも阿部忠秋に「天下の将軍が、城内に避難場所がある程度の火事で逃げ出せば、権威が失墜する」

「混乱に乗じて将軍の命を狙う輩(やから)がいるなら、旗本や譜代大名の武を持って制するだけ」

このような筋が通った反論も受けたとも言われています。


老中と言う仕事は政(まつり)を持って将軍を補佐し、

もしくは合議によって決定された案件を形式上、将軍に伺いをたてる事であり、

将軍はもとより、その先にある幕府を守ると言う立場であります。


幕府を盛り立てる為に、将軍に箔をつける。これが老中の仕事なのですが、

知恵伊豆は、三代将軍・家光があってこそ出世を果たせたので、忠誠心が幕府ではなく家光に傾きます。

だから、幕府と家光、この双方の関係が時折逆転してしまい、

それを同僚の阿部忠秋に指摘されています。


さて、松平信綱がヘアサロンを経営したら、どうなったでしょうか。

毎度の事ながら、好き勝手に想像してみます。


元来、優れた治世能力がある知恵伊豆ですから、ヘアサロン経営においても必ず結果を出すことでしょう。

特に、島原の乱の際に敵将の首を瞬時に数えた事から

速やかに、それでいて適格な数字を知る事の重要性を知っている知恵伊豆ですから

その手法を現在でも応用し、顧客管理ソフトの利便性について、いち早く理解を示したと考えます。


そして、顧客データをRFM分析(来店日・来店頻度・客単価による分析)しながら

ファン客、優良顧客、顧客、新規リピート客、新規客と言う感じで分類。

そこから、全体の売上げの約45%が、顧客総数の約10%であるファン客によって成り立ち、

また、全体の約20%を占める優良顧客も含めた上位30%の顧客売上げが、

売上げ全体の約75%を占めている状況を把握した事は想像に容易いです。


顧客を差別ならぬ、区別をする事で、上位30%の顧客層に対して徹底的なサービスに取り組み

最終的に売上げをグイグイ伸ばす事は、大いにありえます。

俗に言う「えこひいき戦略」の徹底ですね。


ただし、知恵伊豆のイメージには、政治家と言うよりも

どこか、官僚的な能力に長けていたと感じたのは、オイラだけでしょうか。


目的が明確に定まっている事に対しては、的確に、そして迅速な行動によって結果を出すのですが

浪人追放策や明暦の大火の際の行動から、時折、物事の根幹を忘れてしまう事が伺い知れます。


目的(なんのために・最終的なゴール)と目標(どうやって・過程)がゴチャゴチャになる。

現在においても案外多いのですが、知恵伊豆も、場合によっては混同してしまう事が想像できます。


えこひいき戦略を追求し過ぎるあまり、スタッフ間に「なんのために行なっているのか」という点が浸透しなく

それが、スタッフ離れを引き起こし、ある日突然、スタッフが大量に退職してしまう可能性もあります。


が、そこは知恵伊豆。

経営ビジョン(目的)、スタッフ満足度の重要性にも気付き、

再スタートを図り、懸命に立て直す事でしょう。

多くの著名なヘアサロン経営者が通ってきた、スタッフ一斉退職と言う修羅場(しゅらば)を経験し

一皮向けた知恵伊豆が経営するヘアサロンは、本当の繁盛店になると考えられます。


今回も強引過ぎる展開で、多くの方々にご指摘を受ける覚悟でまとめてみました。

では。


参考文献 

お客様は「えこひいき」しなさい! 著・高田靖久 発刊・中経出版

寛永の遺臣たち (失脚―徳川幕閣盛衰記)  著・笹沢左保 発刊・祥伝社