理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

ヘアサロンの年間経営計画と経営者の仕事

昨晩は弊誌サロンオーナー編集部スタッフ(オイラ含めた3名)と、

誌面のレイアウトデザインを担当しているデザイン会社の代表、デザイナーと言う、

計5人による飲み会マーケティング総合研究所の活動でした。


ビールで乾杯した後、20代のデザイナーが弊誌サロンオーナー1月号以降の表紙案を出してくれます。

計3パターン。その中には、新しいタイトルロゴも含まれており、

聞けば、デザイナーが自発的に考え、そして行動し、提案に向けて準備を進めていたと言います。


仕事は与えられるモノではなく、見つけるモノ。

何も考えないで行なう事は作業。そこに意図があって仕事となる。

以前、このような話を聞いたのですが、そのデザイナーさんは、また一歩成長の階段を登ろうとしています。


スタッフの成長、もしくは教育。

これは、立場や、ある程度の年齢に達すると誰でも経験すると思います。


今、ヘアサロンの年間経営計画と言う切り口で取材を進めており

只今、二人の経営者の協力の元、お話をお聞かせいただきましたが、

やはり、スタッフ教育に重きを置いている事が窺い知れました。


技術以外の部分、つまりスタッフ自身が成長を意識し、その為には何が必要なのか

だから、どのような勉強をするのか、タイムスケジュールはどうするのか

そこに自覚を促すと言うのが感じ取れるのです。


年間経営計画は、そこで働くスタッフ全員で作るモノ。

古田土(土に・)会計士事務所の古田土所長は、常々、そう語ります。


ビジョン(最終目的)とコンセプト(目的達成の手段)を示すのが経営者であり、

これは年間経営計画も一緒で、年間テーマ(方向)とイベント(手段)を決め、

そこから先は、スタッフが参画し、意見を集約しながら詳細を詰めて行く事で実現できると考えます。


事実、取材先のヘアサロンでは、年間経営計画を考えるのは経営者であり、

そこから、スタッフ教育・商品管理・顧客管理・福利厚生・衛生管理・イベント企画など

約13項目からなる担当分野を設け、スタッフ一人ひとりを責任者として置いております。


こうする事で、例えば11月にヘアカラーキャンペーンを行なうと言う年間経営計画に対し

9月のヘアカラー技術の売れ筋から流行を把握(はあく)し、技術管理責任者がデータを集約します。

そこから、商品管理責任者がヘアカラー剤の出庫状況を確認する事で裏付けを行ない

キャンペーン内容の詳細を決め、顧客管理責任者が、狙いのターゲット層を絞ってDMを発送する。


同時に、スタッフ教育責任者は、キャンペーンに向けた勉強会を開催すると言う一連の流れを

経営者が命令して行なうのではなく、責任者であるスタッフの意見を尊重して企画・実行する事で成り立ちます。


目標を定め、情報を共有し、行動内容の裁決権を責任者に与える。

少なくとも、これらがあってこその年間経営計画なのかな、などと思いますが、いかがでしょうか?

なんか、まだ足りない事があるような気がするのですが(汗)。


話を強引に戻します。

デザイン会社の代表者が唐突に、こんな事を言い始めます。

「どうしても、デザイナーとしての行動を優先してしまい、経営者の視点が遅れてしまう」と。


オイラなりに経営者の仕事の一つとして、心に残る言葉があります。

「渦をつくる」

自社もしくは自店、あるいはエリアを中心とした渦(ムーブメント)をつくり、

色んな人を巻き込みながら、渦を大きくするのが経営者の仕事。


流水腐らず。

淀(よど)む水には芥(ごみ)たまる。

人・モノ・金・情報も然(しか)り。

だからこそ渦をつくり、大きくするのが年間経営計画。

そして、それこそが経営者の仕事の醍醐味(だいごみ)かもしれません。


などと生意気にも思いますが、どうでしょうか?

では。