理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

ヘアサロンの広告戦略

一昨日、タカラベルモント(株)主催の新規オープン開業セミナーを取材・受講させてもらいました。

「サロンにおける効果的な広告戦略」をテーマに、講師は(株)リクルートの松尾和俊氏が務め、

他の内容よりも約4倍以上の受講生が集まり、その興味の高さが伺えました。


2000年頃。

テレビやラジオ、新聞などに対して各企業の広告出稿(広告を出す先)に変化が生まれます。

インターネットの普及、ホットペッパーなどの無料タウン誌が創刊された時期であり、

この双方に共通しているのが、読み手は無料で情報が受け取れると言う点があります。

「有料の情報、例えば雑誌などを購入する事は、そこには何かしらの意図が存在し、

無料の情報は、なんとなく得られたモノに対して行動すると言う構図があります」

噛み砕いて説明すると、そもそもホットペッパーの読者は、なんとなくページをめくり、

目に入った掲載されている飲食店もしくはヘアサロンの情報を知り、

そして興味が湧けば、実際に行ってみると言う行動に移すのです。

どこかに行きたいから調べるのではなく、知ったから行ってみる。

そうなります。

つまり、漠然(ばくぜん)と抱いている願望を、無料タウン誌によって知り、行動すると言うのです。


「たとえば、週末に釣りに行きたいと考えている人は、釣り情報の雑誌を有料で購読し、

今晩ヒマで何かしたいけど、どこに行くのか決まっていない、そのような方がホットペッパーを、

とりあえず手に取り、そこから決めていくのです」

なんとなく、もしくは、とりあえずと考えている人たちを、

飲食店やヘアサロンへと動かす事を目的としたのが、無料タウン誌の狙いなのです。

結果、有料雑誌の購読率が落ち込んだ事は、想像にたやすくなります。

出版社の人間としては悲しい限りです(泣)。


「ですから、変化する消費行動に伴うメディアミックスが重要になります」

気付き→興味→欲望→記憶→行動。

これが旧来のAIDOMA(アイドマ)の法則でありますが、新しいマーケティング概念として

気付き→興味→検索→行動→共有。このAISAS(アイサス)の法則が新たな主流となると言います。

「ネットなどで検索し、そして行動する、その結果をネットに書き込み情報を共有する。この流れです」

だからこそ、消費者はモノを買う、

もしくはサービスを受ける事に対して慎重になっているとも付け加えます。


そして、最も一般的で広がっているメディアミックスの戦略としては、次のように語ります。

「紙媒体の長所である発見性、比較検討できる事、ネットの長所の圧倒的な情報量。

この組み合わせが効果を生む事が考えられます」


つまりこうです。

前述のAISASの法則に当てはめ、気付きと興味の部分を紙媒体でアプローチし、

検索と行動をインターネットでフォローすると言う考えです。

「人の行動は認知獲得をして、アクションを喚起(かんき)されて成り立ちます」

認知獲得を紙媒体で促(うなが)し、そしてアクション喚起をネットが担当する流れです。


ここまで読んでいただきましたヘアサロン経営者であればお気付きかも知れませんが、

チラシやサンキューレター、もしくはDM、そして無料タウン誌でのサロン広告と、

ホームページやブログなどのサロン広告、このミックスが今後の主流と成りうる事が想像できます。


かなり長文になってしまいましたので、ここでは省略させていただきますが、

「モバイルによる情報発信が今後、ますます重要になります」松尾氏は、そのように述べます。


本日はちょっと難しい内容になってしまいましたが、今後の宣伝広告戦略の参考になれば幸いです。

では。