本日は、理美容師の技術以外のスキル、
つまり接客力についてのサロン現場の取り組みを取材させてもらいました。
一昨日の日曜日に書いた日記の続きです。
都内の某美容室では、内定段階から毎月1回のペースで、
なぜ接客サービスが必要なのか、というテーマの研修会を行なっています。
そこではマニュアルによる教育ではなく、
時事問題や出来事などを通じて接客サービスを考える事が主な内容となっています。
「置き換え力が必要なんです」と話してくれる経営者。
一見して自分とは無関係な出来事でも、その内容を、
いかにして自分に置き換え、そして問題を見出し、解決方法を導き出すのか。
その一連の作業を無意識のうちに出来るようにする。
これが最終的な目的であるといいます。
「バブル以降、サービス業以外の業種が接客サービス向上に取り組んでいます。
お役所や金融機関などが、その顕著な例ではないでしょうか」
そのように語ると「では、理美容業界の場合、接客サービス向上に向けて
どのような研修なり、講習会が行なわれているのか」と持論を展開します。
「洗濯物は目で洗え」
「客室の掃除は鼻から入れ」
この二つの格言は、帝国ホテルで使われており有名ですが、
それぞれの理由を新人に話し、そして接客サービスの重要性について説明するといいます。
「そこが理解できますと、タオルを洗濯する際にも意識が生まれるのです」
「帝国ホテルは決して恵まれたロケーションにはありません。
ですが、100年以上に渡って多くのお客さまに支持されている理由は、接客サービスにあるのです」
そのようにも付け加えます。
研修会では、毎回このような話が行なわれますが、
終了後にはレポート提出が義務付けられています。
「最初は提出期限を設けることはなく、そこから内定者の意識レベルを試し、
なぜ、同じ義務であるにも関わらず、人によって捉え方、実行力が違うのか。そのような話をしつつ、
その日のうちにレポートをまとめる必要性を訴えています」
最後に、この経営者は次のように語ります。
「新人さんは、サロンで働く以前に最低限の接客サービスについての気づきがないと、
それがサロンでのクレームとなってしまいます。
ですから、内定を出した段階で研修を行なっているんです」と。
今週の日曜日、その研修会が開催され、取材許可をいただきましたので、
その時の話は、また後日紹介しますね。