今回の内容【販促チラシの効果検証】
業種・業態問わず、販促チラシを100枚集めてみました
行きたくなるお店のチラシは何枚?
集めて感じたのは、その種類の数の多さについて。すべてに創意工夫がなされています
従来であれば販促チラシの反応率はセンミツ
つまり千枚に配布して3枚ほどとされていました。
しかし、どうでしょうか。
それもまた昔の話であると感じている方も少なくないと推測します。
そこで、販促チラシを100枚集めて内容を検証する企画を行ないました。
マーケティング理論的な観点ではなく
実際の市場に出回っている販促チラシをこの眼で見て
素直に感じたままを紹介していきます。
なぜ、反応率が低下しているといわれているのか。
販促チラシの効果は、今後も低迷するのでしょうか?
3月から4月にかけて、都内某ターミナル駅周辺を中心に
販促チラシを100枚集めるべく、ひたすら街中を歩き続けました。
業種・業態にとらわれることなく
目に付いたモノであれば否応なしに手に取り回収する
そのような日々が続きます。
一定の量の販促チラシが集まり
一旦同じような分類ごとにまとめて、合計枚数を計算してみました。
とりあえず、ひとつの束にしてみると、この高さになります
すると……92枚しかりません。
8枚足りないっす(泣)
そこで、カバンの中をゴソゴソと見てみると
ジャスト8枚の販促チラシがありました。
神さまありがとうございます。
なので、合計100枚の販促チラシが見事に集まりましたー。
大まかなタイプ別に分類してみると、次のような感じになります。
ペラタイプ
名刺が店頭に置かれており、販促チラシとして活用しているケースもありました
ごく普通のタイプで名刺タイプの販促チラシも、このタイプに分類しました。
縦に使用しているのが17枚で、横に使用しているのが3枚。
合計20枚となりました。
全体の20%となります。
面白かったのが、映画などのチケットのように横長タイプのチラシ。
数は少ないのですが、通常のペラタイプと比べ、多少インパクトが強いと感じます。
ちなみに両面印刷が12枚ですので、片面印刷は当然8枚となります。
シートに入っているタイプ
複数枚の販促チラシを渡せるのもメリットの一つかも。であれば、入れる順番もポイント
これらは、販促チラシの劣化を防ぐためでしょうか
雨風に対する防備の意味もあり、ビニールシートに入った状態を
ひとつの分類としました。
12枚ほどあります。
東京・江古田のカティングエッジでは、ジップロックタイプのビニールシートに
販促チラシを入れ、店頭置き看板に横付けしております。
理由は、通行人が別の使用用途をイメージして必要性を感じ
手に取って帰るからと教えてくれました。
今回の調査では、ジップロックタイプは一枚も存在しません。
ですから、まだまだ浸透していないことが理解できました。
なるほど。だから効果が持続しているのでしょうか。
二つ折りタイプ
縦・横関係なく、折り方によっても印象が変化してきます
ペラタイプの販促チラシが二つ折りにされた状態です。
なぜ折るのか。
色々と考えた結果、手渡しやすい大きさになり
言い換えれば手に取りやすく、適度な強度も増すからでしょうか。
このタイプが19枚ですね。
両面印刷が10枚で片面印刷が9枚。
ここである仮説をたてました。
二つ折りタイプの片面印刷は9枚でペラタイプは8枚。
片面印刷の数は、二つ折りタイプが多いことになります。
となれば、こうも考えられないでしょうか。
片面印刷だから二つ折りにして手渡すと。
理由は、白紙の裏面が目立つことも少なくなりますからね。
三つ折りタイプ
三つ折りになると、なぜかネイルサロンが多かったです
縦使いが16枚で横使いが15枚と、ほぼ拮抗しており
両面印刷が22枚で片面印刷が9枚という結果に。
意外だったのは三つ折りタイプの場合
形状が縦長になるためメニュー表のような感じで使用するため
縦使いが多いと推測していましたが、あまり関係ないようです。
また、片面印刷の枚数はペラと二つ折りと比べ、一番多い結果となりました。
これまた意外。
ハガキタイプ
ダイレクトメールも店頭に置けば、販促チラシになるとは想像しませんでした
ペラタイプといえば、厳密にはそうなりますが、6枚ほどありましたので
あえて独立して分類してみました。
というのは、6枚のうち半数の3枚が東京・原宿の美容室の店頭に置かれており
思わず手に取ってみました。
見れば、顧客へ送るダイレクトメールそのものであり
店頭を通行する見込み客へのアプローチ手段としても活用していました。
インパクトがある写真が活用されているため
店頭に置くことで、手に取る確率は充分高いことが理解できます。
ダイレクトメールが残ってしまった場合、このような活用方法もあるのですね。
複数折りタイプ
手前の緑色の販促チラシは、東京・原宿の竹下通りで見付けた店舗紹介地図
12枚ほどありました。
全部、両面印刷です。
小冊子タイプも、この分類に入れてみました。
面白かったのが、飲食店の2枚の販促チラシ。
共に縦横と折り込みながらメニュー表のような形にしているのです。
しかも、書体を筆文字にしているので
あたかも店舗内に置かれているメニュー表そのもの。
折り方を少し変えるだけで、また違った雰囲気になることを知りました。
ただし、意外だったのは、お手紙風に折り込んだ
販促チラシが一枚も存在しなかったこと。
学生時代の授業中、お友達にお手紙を渡す際
複雑に折り込んで渡していたようなタイプのチラシが存在しないのは、なぜでしょうか。
さて、販促チラシの分類を行なった結果
何店舗の内容に興味をいだいたのかと自問自答すると……
ハンバーグ専門店のチラシに物凄く興味をそそられました。
つまり、反応率1%ですね。
冒頭の販促チラシ反応率の平均は0.3%と説明しましたが
結果はそれ以上でした。
そこで考えてみます。
チラシの反応率が低下している理由の一つとして
情報発信方法が間違っているとも思えないでしょうか。
事実、これら100枚の販促チラシを見ていて思ったのは
1枚のチラシの中で広く浅くというように
数多くのサービスや商品を紹介しているのが、そのほとんどなのです。
だから心に響き難いのでしょう。
しかし、私が興味を示したハンバーグ専門店の販促チラシは
表面ではハンバーグのみの紹介。
ひとつのメニューや商品を深堀りすると、こうなる。それにしても美味しそう(笑)
そこから、なぜ美味しいのか、その根拠を説明しているのです。
だからこそ、情報に奥深さが生じて惹きこまれました。
もちろん、その他の店舗情報は裏面に
他のメニューや連絡先などの基本情報と一緒に合わせて紹介しています。
このメリハリが効果的なのでしょう。
基本的な情報は裏面で。この表裏のバランスが個人的に好きかも
そこで、この事例を、理美容業界の販促チラシに落とし込んで考えてみましょう。
たとえば、カットのみを販促チラシで紹介する場合
以前も紹介しましたが
次のような内容を伝え方ることが効果的ではないでしょうか。
・ 誰がカットするのか(スタッフ紹介)
・ なんでカットするのか(経営者の想い。スタッフ理容師や美容師を志した理由)
・ なにでカットするのか(こだわり道具の紹介)
・ どのようにカットするのか(日々練習している技術について。キャリア)
・ どんな流れでカットなどを行なうのか(入店からお会計までの一連)
・ どこでカットするのか(お店の内外装写真。地図も)
・ 誰をカットしたのか(お客さまの声)
・ どんなヘアスタイルになるのか(過去にカットしたヘアスタイル。実績)
・ カット後どうなるのか(終了後の顧客メリット。清潔感が生まれ就活での第一印象向上)
どうですか。
これだけあれば、あなたのヘアサロンのカットに対する強みや特徴がつたわるはずです。
販促チラシを100枚集めて検証した結果
伝え方を変えれば効果はまだまだ高いということです。
いかがでしょうか。
もう一度、あなたのヘアサロンのチラシを見直してみませんか?
おまけ
東京・芝大門で見付けたお寿司屋さんの販促チラシ。折り方も参考になりました
これ。
とある、おすし屋さんの販促チラシです。
折っていくと……
この販促チラシの構図と言いますか、折り方はヘアサロンでも活用できるかも
メニュー表みたいな感じで上品になりました。
折り方を意識すると、また違った発想による
販促チラシができると再発見。ありがとうございます。