先週の新聞に、渋沢栄一「士魂商才」の部分にふれた記事が掲載されていました。
恥ずかしながら、士魂商才と言う言葉を初めて目にしたのですが、
調べてみますと、和魂洋才と言う四文字熟語の造語で、
武士の精神と商人の知恵を持って物事に取り組むとしております。
それは、武士道を武士社会だけではなく、商業者にも徹底させる事で、
真に強く気品溢れる事業と成長する事が想像できます。
ところで、武士道について考えてみますと、これが意外とアヤフヤで、そもそも
戦国時代と江戸時代では解釈が違ってきます。
ですが、江戸時代以降の武士道を調べますと
「君に忠、親に孝、自らを節すること厳しく、下位の者に仁慈を以てし、
敵には憐みをかけ、私欲を忌み、公正を尊び、富貴よりも名誉を以て貴しとなす」
ひいては「家名の存続」としています。
つまり、端的に考えますと道徳をもって商売を行ない、
それが、自店の存続に繋がるとも受け取れます。
さて、この士魂商才と言う言葉、理美容業界にも当てはまると思うのはオイラだけでしょうか。
武士道ならぬ理容道、もしくは美容道(美道)をマネジメント分野に落とし込む事で
真に強いヘアサロンへと成長する。
と書きますと大袈裟ですが、技術やヘアデザインを学ぶ際の姿勢と同じように
マネジメントに対しても取り組む事で、また違った結果になると思うのです。
・・・と書いていましたら、懐かしい書籍を見付けました。
理容の道45話(昭和55年12月発行 弊社刊)。
著者は海津 正氏(元・中央理容専門学校校長)です。
パラパラとめくってみますと、次のような事が書かれています。
【 】の文字が理容の道45話にある内容で、僭越(せんえつ)ながら、
それに対して経営に落とし込んで考えてみました。
【自然味をもたない刈り方は、理容師の刈った頭ではない】
自然に興味を抱くPOPには、狙いの客層が絞られ、必要性が伝えられている。
【何でも最初が肝心である】
新規オープンやリニューアルなどは新規客集客の最大ポイント。
【接客とは人間心理を知ること】
予約は、お客さまに感動してもらう為の準備期間。だからこその、予約。
【狎(な)れる(親しみすぎて礼節を欠く)恐ろしさ】
顧客管理の必要性。全顧客の30%に当たる優良顧客が、売上げ全体の75%を占める。
【客の衣装で仕事をするな】
オシャレが好きと言うレベルと、オシャレの専門家の違いを意識する。
などと、いささか強引に書いてみましたが、オイラ的な見解は、こんな感じです。
士魂商才ならぬ、(理容・美容)師魂商才。
必要などと思うのですが、どうでしょうか。
では。