またまた、楽天・野村監督の著書「敵は我にあり」のネタで申し訳ありません。
現在のソフトバンク、当時の南海ホークスの事ですが、大塚徹選手について触れています。
この大塚選手には野球選手本来の能力ではなく、ヤジ将軍としての能力を買い、
数年間1軍ベンチ入りを認めていました。
試合の勝敗には直接的には関係ありませんが、常にユーモラスなヤジでチームのムードをつくる
いわえるムードメーカー的な役割を担っていました。
守りの要で打撃では4番。そして監督の野村氏が三振した時のことです。
当然、チームの雰囲気は、どんより暗くなります。
現場の最高責任者が三振しているので、誰も言葉はありません。
でも、そんな時に大塚選手がヤジを飛ばします。
「監督も打てなかった、あのピッチャー。もしヒット売ったら監督賞ですよね。ねぇ監督?」
誰も言えない事を、ユーモアを交えて言うので野村監督も思わず笑ってしまい、チームの雰囲気は一気に和みます。
野村監督は、そのようなヤジに対して一定の評価を与え、
年俸アップの判断要素に加え、その旨、大塚選手にも伝えていたと言います。
すると、大塚選手自身にある変化が生まれました。
評価される以前は、単なるお遊び的要素が強く、いわばヤジは付加価値のような感じでした。
ですが、そのヤジが評価の対象であると知った大塚選手は、
翌年からは真剣にヤジを考えるようになったと言います。
この内容をヘアサロン経営に当てはめて考えてみますと、どうでしょうか?
例えば、POP。
売上に対して直接数字に現れる事はありませんが、影響しています。
ホームページなどについても同じ。
要は、表には現れない数字に対しても評価の対象にして、
そして、それを当事者に伝える事で、価値を感じてもらい、さらに効果を高める。
となれば、暇な時に行なうPOPなどの仕事に対するアシスタントに対しても
売上に貢献している事を実感してもらう事ができます。
野球もサロン経営もチームワーク。
一見して意味がないと思われる事に対しても、現場の責任者が評価し、
そして、それを当事者に伝える。
それが強いチーム作りに繋がると思いますが、皆様はどう考えますでしょうか?
余談になりますが、野村監督が前・ヤクルト古田兼任監督の控えの中西捕手の契約更新に際して
「腐らないで精いっぱい頑張っているから、なんとかならないか」とフロントに要望した話があります。
このように、硬軟織り交ぜた配慮が野村監督の好きなところです。
そして案外、現場に聞こえてくるものなのです。
だから、裏方さんが、見えない部分で支えてくれるのですね。
ヘアサロン経営も一緒かもしれません。