理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

リピート率を下げたいヘアサロン。その理由とは

一冊の冊子が届きます。

社団法人 日本理容美容教育センター発刊の「学習だより」です。

この冊子は、通信課程の理美容学生に配布しているモノで、

コーチングやマーケティングなど結構面白い内容で毎月楽しみにしています。

いつもお気遣いいただいています職員さん、本当にありがとうございます。


今月号では、ある理容師さんの原稿が目に留まりました。

修行中に軽い気持ちでボランティアによるカットサービスを行なったところ

知的障がい者が安心してサービスを受けられる理美容室の存在が少ない事に気が付き

一旦、理容師を辞めて、その間、ホームヘルパー1級を取得したツワモノの話です。


現在では、多くの知的障がい者のお客さまが来店されるヘアサロンを経営しているのですが

脳性麻痺(のうせいまひ)は、見た目では重症に見え、言葉もうまく発せられない」

「しかし、考えている事、感じている事は私たちと何ら変わらない」

「そのような方に、まるで子供にしゃべるように接する技術者を見かける」

認知症と間違える人すらいると聞く」

この一文を読んだ時、何と言いますかズドーンとオイラの心に響きました。

だって、まったく無知でしたものオイラ。


早速、その方のサロンのHPに行きメールを送りました。

なんて書いていいのか分らなかったので、とりあえず簡単なあいさつ文と

良い記事をありがとうと書いた内容でした。

で、昨晩返信が届いており、今朝拝見していると、冒頭に次のような一文があります。


「私のお店に来られるお客様は、95%以上リピーターの方です」

「何とかして、この数字を下げたいのですが、現状では難しいです」

「時代に反した言動だとお思いでしょうが、心からそう思っております」


リピート率を高めるのではなく、下げると明言しています。すると…


「(知的障がい者の)リピーターの方が少なくなる=他のお店に行きだしただと思っているからです」

「日本には、知的障がい者の安心していける理美容室が少なすぎるようにおもいます」

「それは、理美容室が悪いのではなく、日本の文化がそうさせてきたものだと思います」

「ただ、時代はそうではなくなってきています」

「同じ料金を支払うのであれば、すべての人が同じサービスを受けられないとおかしいのです」

このように続くと、完全に本気モードのスイッチが入っている事が伝わってきます。


でね、学習だよりでの文章の末文には、こうも書かれています。

「理美容師と歩んで行こうと決めたら、何でもいいから他人に誇れるものを一つ習得して欲しい」

「そして、どんな事がしたいのか核となる部分を持って下さい」

「それがしっかりしていれば、カタチは様々に変わるが、進む道は同じ方向に見えると思う」と。


今後は、知的障がい者が近所の店に行けるような訓練も兼ねた理容室を模索中ともあります。

オイラは軽々しく発言できませんが、何と言いますか、この理容師さんの考え方に物凄く感動しました。

このご縁も大切にしていきたいと思っている今日この頃です。

では。


ホームヘルパー1級取得している理容師さんのサロンHP

風見鶏(かざみどり) ウエザーコック
http://weathercock-vhc.com/default.aspx