いつもお世話になっている古田土(土に・)会計士事務所の古田土所長から一冊の本をもらいました。
「日本でいちばん大切にしたい会社」坂本光司著。
読み進めていくうちに、古田土所長がなぜ薦めたのかが理解できました。
従業員50名のうち、知的障害者が約7割を占める日本理化学工業という会社の取り組みがあります。
幸福とは人に愛され、褒められ、役に立ち、そして必要とされる事であり、
愛される以外は仕事によって得られるモノであるとも書かれています。
オイラもそうなのですが健常者の多くは、その事を忘れてしまっています。
条件にこだわらなければ、仕事はあるのですから。
ただし、知的障害者となれば話は別で、就職率は激減するともあります。
となれば、知的障害者というハンデを背負った人たちは
仕事を通じて得られる幸福そのものを経験する事なく一生を終えてしまいます。
そこで同社の大山社長は、次のような考え方に行き着きます。
「企業の存在価値や社会的使命は、人として生きる場の提供ではないか」と。
もちろん、その後取り組んできた同社の活動に対しては労働環境の整備など、
オイラが軽々しく発言できるような事ではなく、
長年に渡る多くの創意工夫が存在し、成り立っている事は理解できます。
この本で勉強になったのは、次の箇所です。
「もっと多くの知的障害者を受け入れられるように、会社を大きくしたい」
「その為にも、さらに新製品を開発し利益を生み出す必要がある」
「この考えが、健常者の社員の口から自然と出てくるのです」
なぜ利益を追求するのか。
そこが明確に定まっている事で、社員自身が働く意味や意義を感じ、
そこから何をすべきかと言う方法を考える。自発的に。
だから利益が生まれるのですね。
恥ずかしながら、正直に書きますとオイラも部数アップ、
もっと多くの広告を集める事ばかり考えていました。
それが雑誌編集者、そして会社員として当然などとも思っていましたが、違うんですね。
弊社の存在価値と社会的義務とは何か。
ビジョン(経営理念)とコンセプト(遂行手段)を、もう一度、じっくり考えてみたいと思います。
と、ここまで書いていて理解できたのですが、
ビジョンとコンセプトをスタッフ全員が共有する必要性は、
まさにそこにある事に気が付きました。
となれば、理解しやすいように簡単な一文で表現する必要があります。
うん。また一つ勉強になります。
この事を古田土所長はオイラ自身の気付きをもって知らせたかったのでしょうか。
などと考える今日この頃です。
そして、人の成長は自分自身の努力だけではなく、
多くの方々の温かい協力の上に成り立っている事も自覚しました。
では。