理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

ヘアサロンの命運はオープン時に決まる

昨日の続きです。


サロンを新規出店する際に、非常に重要なポイントとなりますコンセプトと、

ターゲット層の絞り込みについてbhの飯島氏は次のように語ります。

「出店場所から考えてしまうケースは多いのですが、まず最初に、

コンセプトとターゲットが決まらないと、必要な金額が明確になりません」

確かに、場所→金→コンセプトという順番で決まるケースは多く、

となれば最後のコンセプトを安易に考えている場合も少なくありません。

そのような状況を、飯島氏は次のように例えます。


「飲食店に入り、オーダーを聞かれて『肉料理』と頼んでいる光景と同じです」と。

肉料理とオーダーする人は少ないのですが、内外装の専門家である飯島氏からしますと、

内外装のリクエストを伝えている理美容師の言動は、まさにそのものと言います。

「ウッド調の内装で落ち着いた空間を演出したい」という漠然としたイメージで

内外装デザイナーに伝えてしまう理美容師。

それに対して、デザイナーも何となくイメージが把握できてしまうので、そのまま進んでしまいます。

それが、仕上がり段階で違和感を覚えてしまうのです。


肉料理とオーダーして、ステーキをイメージしていたのが、ショウガ焼きもしくは

ハンバーグが出てきたらどう思います?

「ステーキじゃないんだ・・・」と文句を言っても

「だって肉料理って言ったじゃん」と返ってきます。当然ですよね。

料理の場合は、その瞬間の出来事なので良いのですが、

これが新規出店のヘアサロンだったらどうでしょうか?

どこか、自分がイメージした雰囲気と違うという違和感を感じつつも、オープン日は近い。

だから、ちょっと我慢してオープンを迎える。

そして違和感を抱きつつ、数年を過ごすのです。

もしくは、新たに借金を抱えて改装を繰り返す。

だから現金が貯まらない。そして次第に融資額も少なくなる。だから、なにも出来なくなる。

このような負の連鎖が続く事を解消するためにも、

まずは、コンセプトとターゲット層を決め、その為に必要な内外装を考え、

予算オーバーとなれば材質をレベルを落としたり、インテリアの数を減らします。

これらの作業はご自身が納得して行なうため、完成後も違和感は感じることなく、

むしろ、次のテーマとなることでしょう。

当然、昨日の日記にもある通り、オープン後の10年間の間で現金を貯め、

次のリニューアルに備えれば良いのです。


と簡単に書きましたが、美容室の場合、オープン後の数年間で

閉店に追い込まれている光景を目の当たりにしますと、

意外と飯島氏が言う基本的な所で間違っている事も充分考えられます。

そんな事を感じた昨日。


かの有名な織田信長桶狭間の奇襲攻撃以外は、戦前の段階で勝利を確信しないと

戦を仕掛けなかったと聞きます。

となりますと、ヘアサロンもオープン時に命運が決まっているとも考えられませんでしょうか?

では。