理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

絞り込むターゲットと反応するターゲットは違う

ダイレクトマーケティングフォーラム2008を取材させてもらった時の話。

「顧客ロイヤリティを高める手法と仕組み、その実例」と言うセミナーを受講させてもらいました。

講師はマーケティングコンサルタントの松野恵介氏(ガイア代表)。

インターネット媒体を通じた宣伝広告について、次のように切り出します。

「ネット広告は決して独特な世界での出来事ではない」

「紙媒体などの宣伝広告と同じく、価値を伝えているか否かが肝心」

フラッシュなどを多様し、イメージ先行のホームページを否定はしませんが、

要は「誰に・何を・どうして」、この3要素が明確になっていないと、

存在意義が薄れてしまうと考えます。

だから、松野氏は手法や考え方などで、ネットも紙も一緒であると言います。

ただし、相手が見る環境において違いがある事を意識する必要はあります。

街頭チラシは、手に取ってもらう事。

そして、ホームページでは、相手が探している情報の提供が基本スタンス。

この松野氏は以前、号外風の街頭チラシを制作し配布したところ、

想像以上のスピードで配布が終了し、その日のうちから売上が向上したと言います。

またネットの現状としましては、たくさんの人が見ていますが、

その多くは情報収集であり、となれば探している情報以外、興味を抱かないとも語ります。


たとえばです。

「女の一人旅」を検索キーワードに引っ掛かった宿泊施設を見てみると、

ホームページのトップページが表示されるケースが多々あります。

しかしながら、五龍館という宿泊施設のホームページでは、トップページではなく、

女性の一人旅にまつわる情報が掲載されているページへ、ダイレクトに飛びます。

そこでは、女性の一人旅客を対象としたキャンペーン、

不安箇所と解消方法などが掲載されております。

1 誰に(キーワードの絞り込み)

2 どのようにしてページに訪れ(検索・キーワード広告)

3 何を伝えて(検索者が知りたい情報)

4 どうして欲しいのか(来店や問い合わせ)

このシナリオを描く事こそが重要であると話してくれました。


また、絞り込むターゲットと反応するターゲットは違う、とも説明します。

例えば松野氏がコンサルタントしたウッドデッキの販促チラシでは、

小さなお子さんがいる家庭に向けて、ウッドデッキで遊ぶことで自然に触れ、

それが豊かな感性の育成につながる事。

テレビゲームよりも庭で遊べることが、

小さな子供たちに人気であると言う話も紹介しました。

すると、どうでしょうか。

ウッドデッキの購入を考えている人達の他に、

小さな子供がいる家庭の親たちが反応し、ウッドデッキに対する購入意欲が薄い層までもが、

購入されたケースも生まれたと言います。


この事例は、ヘアサロンのキャンペーン告知などでも充分活用できませんか?

例えば、敏感肌用のシャンプーの店販キャンペーンを企画したとします。

チラシでは、次のような流れで説明していきます。

小さな子供の教育として重要なバスタイム

親子で一緒に入り、そして体を洗ってあげる事がコミュニケーション能力につながり、

または、親の愛情を一番感じる時でもあると説明。

でも、シャンプーが苦手な子供は多く、その理由として目に入ると痛いからで、

このシャンプーでは、例え目に入ったとしても従来のシャンプーよりも痛くはなく、

だから、安心してシャンプーをする事ができ、シャンプー中では泡を使って

スーパーサイヤ人の髪型にして遊ぶ事だってできる。

しかも、しっかり洗えるので、それが頭皮の健康を保ち、髪の成長にも繋がる。

このシャンプーを使う事で、親子で素敵なバスタイムを過ごす事ができる。

髪と頭皮と心も洗えるシャンプーは限定○○○本、キャンペーン期間中だけの発売。

このようにアプローチすると、敏感肌の方だけではなく、小さなお子さんがいる

家庭のお父さんやお母さんも反応するのではないでしょうか。

欲を言えば、以前購入されたお客さまの声なんかも入れたいですね。


モノは考えようによって、結果は随分違ってくる。

今回のセミナーでも、多くの気付きをいただきました。

では。