理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

顧客アンケート

本日、再来店率向上と言うテーマで、都内の美容室を取材させてもらいました。

今回の取材は、今までとはちょっと違うパターン。

従来であれば経営者から話を聞くのですが、コンサルタントが協力的であり、

取材日時に同行していただき、双方から話を聞けました。


取材先は数年前に、自社ビルの建設に着工しました。

その際、店舗リニューアルも行なったため、約1年以上の時間が費やされたと言います。

人通りが多く、徐々に出来上がる光景を毎日見ていた通行人は、どうしても、その美容室の存在が気になります。

そして、めでたくオープンを迎えますが、経営者が予想していた以上に、新規のお客さまが数多く来店されました。

「広告などは一切打っていなかったのですが、毎月100人の新規客が来店されていました」

経営者は、そのように当時を振り返ります。

しかも「その状況が数年間続きました」とも付け加えます。


なんだよ。だったらいいじゃんか。

と思ったのもつかの間、こんな事を言ってくれます。

「でもね、再来店率が20~30%程度で、しかも、新規客数が増えた割には、

スタッフ数が不足し、教育が徹底していなかったため、接客サービスレベルが低下していました」と。

受け入れ態勢が整っていないにも関わらず、想像以上の新規客が来店され、

店内がパニック状態になった事は想像できます。

しばらくすると優良顧客が離れ、しかも新規客の再来店が少なくなります。

そうなると、集客を行ない続けるしかありません。


俗に言う、集客地獄です。


「いかにして集客するか。その方法ばかり考えていました」

経営者は、そのように当時を振り返ります。

そして、いつしか新規来店者数も少なくなり、再来店率も平行ですから、

当然、売上も伸びなくなり、むしろ減少となってしまいます。

そのような状況下でコンサルタントと知り合い、アドバイスを受けます。

「最初は、言っている事を受け入れられませんでしたよ。

だって、理解できていませんでしたから」。そのように語ります。


「まずはお客さまへのカウンセリングを実施して、新規客の期待値を知る事を徹底しました。

どこまで期待して来店されているのか。そして、その為に必要な金額の事前告知。

この2点を実行するようにミーティングなどでスタッフ全員に訴えかけました」

コンサルタントは、そのように話すと「新規客は何を、どこまで期待して来店されたのか、

そこを知らない事には、サロン側としても、どのようなサービスを提供するのか、選択ができない」とも言います。

さらに「不満を排除して、感動を提供する。その為にはカウンセリングを徹底する必要があります。

そして、もう一点。再来店の切っ掛けづくりも仕掛けました」とも付け加えます。


切っ掛けとはサンキューレター、来店時期のお知らせDMなどですが、

一番面白いと感じたのは、顧客アンケート結果と、その後のサロンの取り組みを、

顧客の目に入る位置、今回の場合はフロント付近でお知らせしていた事です。

「このようなご意見があり、さっそく、こう対処しました」みたいに。

もっと具体的に書くと「スタッフの名前がわからない」と言う意見に対し

「名刺を作り、名前やプロフィールを書いてみました。左胸に貼っています。どうでしょうか?」

と訴えかけています。

この光景を目の当たりにした顧客は、またアンケートに協力したいと思ってしまうのです。

だって、自分の意見が反映されているのですから。


長文になってしましました。申し訳ありません。

読み難くなるので、ここではこの辺にしておきますが、経営者のこの一言が印象深く残っています。

「再来店率が高まる仕組みを理解していなかったので、手法だけに目線が行っていました」と。

この言葉を受けて、コンサルタントさんは、次のように補足してくれます。

「不満排除・感動提供(カウンセリングの充実)を行なうと新規来店率が向上し、失客が減ります。

そして、サンキューレターやDMの発送による顧客との信頼関係の構築。

これが実現されますと、再来店率が高くなり客数が増えて、結果、売上が増えます。

この一連の流れを理解していないと、どのような成功事例を取り入れても、結果が伴わないと思うのです」と。


手法をマネする事は結構なのですが、仕組みが見えている事で、また考え方や取り組みが違ってくると思うのです。

どうでしょうか?

では。