理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

ヘアサロンの宣伝広告費は経費? それとも…

DMPA(DM推進協議会)主催のDM(ダイレクトメール)セミナーを受講・取材した。

「言葉を考える事は無料。だけど、言葉の内容次第で大きな利益につながる」

まず最初に、そのように語ってくれたのは日本郵政田中稔氏。

セミナーの講師ですが次長課長の河本氏にそっくりな関西人。話し方もね。

以前から、一度お話を聞きたかったのだが、ご縁があり実現しました。

感謝。


DMやチラシ、POPを作る際に考える言葉。

有名な話では、とある書店の小さなPOP。

決して売れ筋ではなかった書籍を読んだ書店の副店長が感動し、

その内容を多くの人に知ってもらいたく、簡潔にPOPにて紹介しました。

すると、見事ベストセラーになったのです。

恐るべしPOP。

でもね、人がモノを買う、もしくはサービスを受けると言う背景には、

中身(内容)を知らない事にははじまりません。

「価値を感じないモノ(サービス)は存在しない事と一緒」。田中氏は、そのように語ります。

価値を感じない。つまり、自分との関連性を感じないから、モノを買わないと言うのです。

それは言いかえれば、価値や関連性を感じれば買うと言う事になりますよね。

そこにDMの存在意義があると思うのです。


田中氏が実際に携わった実例を話してくれました。

とある企業の社長との掛け合いで、一枚のDMの内容について田中氏が提案しました。

「社長。この問い合わせの所ですが、ちょっと変えてみませんか?」と。

良くあるケースで「お問い合わせ 電話○×○―×○×○」

これを「今すぐ資料送ってと電話下さい 電話○×○―×○×○」

「フリーダイヤル無料 赤いチラシを見たと電話下さい 電話○×○―×○×○」

「今すぐ黒いペンを持って下記記入してファックスしてください ファックス○×○―×○×○」

と言うキーワードへの変更を提案したのですが、まだ疑っている様子の社長。

結局、田中氏の提案に興味を示しつつも、完全に信じていない為、DMの内容を2種類にしました。

「お問い合わせ 電話○×○―×○×○」と

「フリーダイヤル無料 赤いチラシを見たと電話下さい 電話○×○―×○×○」に。

同じ枚数です。

結果は問い合わせ件数2.5倍、購入率に関しては4.5倍もの差が生じました。

もちろん、後者の方に軍配が挙がった事は言うまでもありません。


DMを読んだ消費者の心理として、電話をする際に、第一声で、どのような事を言えば良いのか、

そこに迷いがあり、悩んでいるうちに電話をしなくなると言います。

だからこそ、第一声のキーワードを提案し、そして、その言葉を聞いたオペレーターが

「昨日の赤いDMですよね」と聞く事で、電話をかけた本人が安心し、

そこから、次の会話に繋がると言います。

その結果を目の当たりにした社長は田中氏に、このように怒りました。

「なんで、もっと早く言わなかったのか」と。

さらに、「宣伝広告費は経費ではなくて、投資だな」このような言葉も言われました。


この他にも本当に勉強になるお話が多々聞けましたが、長文になると読みにくいので、

ここではこの辺にしておきますが、DMを投資とする考え方は非常に面白いと感じました。

皆様のサロンの宣伝広告費は経費ですか、それとも投資ですか?

田中稔氏とのご縁。末永いモノにしたいと思います。

では。


DMPA
http://www.dmpa.jp/