理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

ヘアサロンの空気感

本日、東京・大山にあるヘアサロンに伺った。

以前から知っているご夫妻が、二世帯経営としてリニューアルオープンし、

遅ればせながら2年が経ち、はじめて伺った。


和風居酒屋と勘違いしてしまうオシャレな外観と看板。

一歩、店内に入ればご両親スペースと、二世が行なうスペースがあるのだが、

明確な区切りは、あってない。

第一印象は、外観とは違って生活感あるインテリアが多いなぁ、そんな感じだった。


普段、ヘアサロンに生活感は不必要であると考え、当ブログでも何回か、その旨書いた事がある。

しかしながら、何と言うか、数分もすると非常に落ち着くのだ。

二世夫婦と話をしていると、お母さんが来てくれて、一言二言あいさつさせてもらう。

その後、サロンのコンセプトなどを聞いていると、お母さんが担当しているお客さまが話に加わり、

「私はね、このお店は和モダンだと思うの」とアドバイスをくれる。

すると「そうそう。それそれ」と二世夫婦が、いまさらながら気が付いたように相槌を打つと、

思わず「いまさら気が付いたのかよ! しかも、お客さまの指摘で!」と突っ込んでしまうオイラ。

すると、すぐ横にいた為か、その話が耳に入ったバックシャンプー中の20代前半の

オシャレな女性のお客さまも笑っている。


何なんだろう、この空気感は。物凄く不思議。

これが俗に言うファミリーサロンと言う業態なのだろうか。

いや、ファミリーサロンの業態は過去の産物であり、現状では経営は難しい

…と言うのがオイラの見解なのだが、どうも、このサロンにいる限り、その考えが間違っていると思う。


外観にあるプライスメニューは二世夫婦による手作り。

「書いたのは私なんですが、当初考えていたキャッチを書こうと思ったけど、

漢字を間違えてしまって、それに合うキャッチに変更しちゃいましたよ。ハハハ」と二世夫婦の奥さん。

「店内にあるプライスメニューには、書き違いがあるんですよ。ハハハ」と、今度は旦那。

似た者同士です、ハイ。


繰り返しになるが、ヘアサロンの空気感とは物凄く不思議である。

気を使わないで、それでいて見栄も張らない。

でも、オシャレなヘアスタイルにしてくれる。

この表現は的確ではないかもしれないが、大家族の食卓の風景に似ていると感じた。

別段、ご馳走があるでもなく、会話を楽しみながら、それでいて素朴な味付けを、

じっくり噛み締めて食事をしている。噛み締めるから、色んな味わいを知る。

大皿料理がある小料理屋に行き、色々物色していると、知らないお客さんから、

「これ食ってみ、旨いから」と言われ、食べてみると美味しくて、

「なんか良く分らないけど、旨いんですけど」と聞いて話が盛り上がるケースと同じ。


本当に存在するんだな、そんなヘアサロン。

かなり勉強になった。

それにしても、ヘアサロンの空気感って、どうやって構成されるのだろうか。

また一つ、テーマが増えた。

では。