理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

理美容師としての義務とは

オイラは風呂に入る際、漫画を一冊手に持つ。

浴槽に浸かりながら、ダラダラと読むためだ。

変なクセだと、いつも思っている。

今朝は、大好きな部長・島耕作を読んだ。


初芝という会社が、大金を投じて文化施設を立ち上げようとし、その担当者が島である。

しかしながら、労働組合委員長は、そのような大金があれば、社員に還元すべきではないか、と反論。

バブルが崩壊、平成大不況の時期であり、社員の昇給がままならない事もあり、

労働組合委員長の意見にも一理ある。

が、島はこのように反論する。

発展途上国に対する国家的支援であるODA(政府開発援助)を行なう際、

自国の高速道路や高齢者施設などの諸問題に対して予算を使い、

整備してからODAに予算を投ずると言う発想では、いつまで経っても実現は不可能。

世界的な貢献と自国での取り組みは、同時に行なうモノだ」という。

これは、自国の問題などは永遠に発生するものであり、それらを一つひとつ解消する事を優先したら、

世界的な貢献など、実現不可能となってしまう、という考えだ。

だからこそ、同時に行なうべきである、と言うのが島の主張。

世界経済や発展に貢献する事が、日本の平和もしくは経済発展につながるからである。

それが周りまわって、自社の利益にもつながり、所得が高まる。

初芝が着手している文化施設も同じ発想。

自社の営利活動と並行して、社会貢献や文化向上に対して取り組むべきである、と島は言う。


先週。理容組合の青年部に属する方と飲んだ。

で、組合の話になる。

「同業者組合に所属していない人は、理容師の業権保持に対して白紙委任しているとも考えられないか」

こんな話が聞こえてくる。

確かに、そうだ。

現段階では、行政との窓口は全理連、美容業界では全美連だけとなる。

となれば、もし仮に、行政の理容師・美容師の業権に対する考えが変化した場合、

唯一反論できるのが、全理連なり全美連となる。

であれば、支部から単組、単組から全理連・全美連に意見が集約され、

それが業界の総意として行政に伝えられる。

その際、組合に属していない人は、残念ながら意見を述べる機会はない。

だからこそ、前述の通り、組合に属していない人は業権保持に対して白紙委任している事になる。


組合のオッサンやオバサンと付き合ってられない。

カラオケ、旅行、飲み会などなど、組合活動はコミュニケーションばかりで意味がない。

そのような声も聞こえてくる。

オイラも充分過ぎる程、理解できる。

だが、理美容業界の発展を切に願うならば、業界発展の為に汗を流す事も必要ではないだろうか。

衛生技術の維持向上を基本とし、理美容師の存在意義を社会にアピールする。

そのような事なくして、自店の繁栄などありえないと思うのは暴論なのか。

自店の経営基盤が安定しないと、業界の事は考えられないと言う考えがあるが、オイラは違う。


冒頭の島耕作の言葉ではないが、初芝文化施設建設による社会貢献と営利活動、

自国の繁栄に対する行動と同時に、世界的視野に立った活動も必要だ。

いつもお世話になっているメジャーセブンの言葉を借りれば「理容師・美容師としての義務」となる。

自店の繁栄を願うのであれば、業界の発展を考え行動する事は当然である。

そのための同業者組合であり、だからこそ参画する必要があると思う。


確かに、組合の活動は時代に対して、いささかズレているかもしれない。

と思うのであれば、内部から変革を促すしかない。

それが義務であり、自店の繁栄につながるからだ。

現時点では組合に参加する資格すらないオイラにしたら、その立場にいる皆さんが羨ましい。


久し振りに組合について書いてみました。

まだまだ小僧のオイラの文章にお付き合いいただき有難うございます(土下座)。

では。