理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

無償と有償の違い

昨晩の日記に続き、ちょっと前に体験した出来事を書いてみたい。

タクシーに乗った。

個人タクシーだったのだが、車内をみれば灰皿があった。

タバコ吸ってもいいですか? と運転手さんに聞くオイラ。

すると、ほんの一瞬、時間にして1秒しかなかったと思うが、

怪訝な表情をされた後に「どうぞ」と低い声で返事が返ってくる。

小心者のオイラは、この運転手さんは、本当はタバコ吸って欲しくないんだろうな、

などと感じてしまい、一口二口吸っただけで、すぐに消してしまった。

最初から、禁煙車である旨が表示されていれば、お互いに嫌な思いをしなかったのかな、などとも考えていた。


「冷やしシャンプー」というモノがある。

今期、多くの理容店で取り入れられている技術だ。

この技術・発想はとても素晴らしいと思うのだが、提案方法に対して、いささか疑問が残る。

多くのヘアサロンでは、季節サービスの一環として顧客に提供しているのだが、

オイラは、やはりお客さまに提案する以上、それなりにコストが発生するため、

無償のサービスはあり得ないと思う。

50歩譲って、無償サービスであるにしても、その先には利益につながる戦略なりが存在してからこそ、

サービスそのものが成り立つと考えている。

ここで言いたい事は、現段階では提供側のヘアサロン自体が物珍しいと感じている節があり、

いわば一時的にテンションが高まっている状態だからこそ、無償サービスでも成り立っているケースも少なくない。

手間暇かけて準備を行ない、お客さまに喜んでいただく。

それ自体は素晴らしい事だが、来年、再来年・・・永続的に果たして、今のように提供できるのか疑問が残る。

無償である以上、心の中のどこかで「やってやっている」と言う心境が、いつか芽生えないのか心配なのだ。

そうなれば、言葉には出さないが「なんだか面倒だよな。儲かる訳でもないのに」となるかもしれない。

オイラが、いま非常に懸念しているのが、そのような状況なのだ。


繰り返しになり恐縮だが、冷やしシャンプーは素晴らしい技術だ。

だからこそ、一過性のノリではなく、ロングセラーメニューへと進化させる必要があると思う。

そのためには、サービスという立ち位置ではなく、あくまでもメニューの一環としてとらえ、

有償にするかわりに、日々技術や内容などについて研鑽を重ねると言うのが筋ではないだろうか。


数年後。

冷やしシャンプーを頼んだお客さまが、ほんの一瞬、スタッフに嫌な表情をされ、

冒頭のオイラのような心境にならない事を切に願いたい。

そのような体験をしたお客さまは、一生、冷やしシャンプーを頼まないだろう。


本日も生意気な事を書いてしまって申し訳ありません(土下座)。

では。