理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

異業種の集客方法② 酒販店

「最近、梅酒が密かなブームなんですよ」。

埼玉・川越にある㈱マツザキと言う酒屋さんを取材した際、この様な事を教えていただいた。

店内を見回すと、確かに、数多くの梅酒があり「試飲してみます?」と聞かれる。

前回書いた「返事は0.2秒以内にする」を無意識に実践しているオイラ。

仕事だから、しょうがない。

繰り返すが、これはあくまでも仕事の一環である。

決して、私利私欲にとらわれた末の試飲ではない事を、ご理解いただきたい。

グビッと一気に飲むオイラ。

もう一杯! と言いたいところだったが、仕事中であるので

「甘くなくて、梅の香りが物凄くしますよね。これなら、炭酸で割れば肴とも合います。

ロックで飲んでもスッキリしているかも。うん美味しい」とマジメな顔してコメントを述べる。

心の中では「あ゛~、このまま、普通に、この梅酒をガンガン飲みてぇ~」などと思いつつも、あくまでも平静を保つ。


「梅酒って、食前酒と言うイメージが強いのですが、実は種類が豊富で、男性向けに作られたモノ

色々な食べ物との相性が良いモノもあるんですよ」と、取材に協力してくれた同社代表は言う。

正直、梅酒に対するイメージが変わった。

「取引がある飲食店から、梅酒の種類を増やしたいと言うリクエストがあり、

全国の酒蔵を巡って、数多くの梅酒を探してきました」。

そして、その飲食店で梅酒が爆発的に売れ、手応えを感じたとも語る。

「その後、取引がある飲食店やお客さまに対しまして、梅酒の美味しさを伝え続けました」と話すと

「作り手である酒蔵の想いを伝える事が私たちの仕事であり、専門店の強みであると考えます」と付け加える。


スーパーやコンビニなどでもお酒は販売されており、利便性においては確かに酒屋さんは劣る。

「これからの専門店は、商品のラインナップにこだわりつつ、想いを伝える事で生き残ると思うのです」。

再び店内を見回すと、多くのポップが貼ってある事に気が付き、そこには、酒蔵からのメッセージが数多く書かれている。

売り物は酒と酒蔵の想い。

そのように感じたのはオイラだけだろうか。


そしてもう一点、同社から学んだ事がある。

長文になると読み難くなるため端的に説明すると、ブームは起こすものであると言う事だ。

「ブームになる前に、宮崎の酒蔵で物凄く美味しい芋焼酎を見つけました。

川越と言う芋焼酎ですが、今となっては当店では抽選販売を行なう程の人気商品です」と。

そして「お客さまは多くの情報を得ていますが、専門店は、その一歩先の情報を提案する必要があります」ともしている。

そのためには、同社の場合は、頻繁に地方の酒蔵を巡っている。

「お客さまが知らない事を見出し、提案する。それって面白くないですか? 

それが商売人冥利につきると思うのですが、どうですか」。

その積み重ねがブームに繋がり、そして消費者ニーズが高まる。


ヘアサロンで使用しているシャンプーやトリートメント、もしくは技術。

そこには、必ずこだわりが存在する。

となれば、ヘアサロンでの売り物は店販の場合、商品と想い、もしくは、こだわりとなる。

技術に対しても、同じではないだろうか。

理容業界では「冷やしシャンプー」が流行の兆しをみせているが、

果たして、想いを伝えているヘアサロンが、どのくらい存在するのか疑問である。

どうして「冷やしシャンプー」を提案しているのか。


オイラが客ならば、そこが一番知りたいと常々思うのだが。

では。