先日の話の続き。
某有名美容室では、来年度つまり4月から入社する新人スタッフに、欠員が6名ほど生まれたと言う。
2月上旬に欠員募集と入社試験を行なったのだが、都内の美容学校から100名以上の学生が応募してきた。
4月まで残り2ヶ月を切った、この時期にも関わらずだ。
合格しない学生に、就職先が決まらなかったら、どうするかと聞いてみると、こんな多く応えが返ってくる。
「美容師を諦(あきら)めます」と。
美容学校の学生の資質に問題があるかもしれないが、
受け入れ側(ヘアサロン)にも、その責任がある。
また、理容師が理容室だけではなく美容室でも、美容師が美容室だけではなく理容室で働ける規制緩和、
つまり理美容混在が認められることで、違った局面を迎える事も考えられる。
どちらにしても、今、美容学生からも働きたいと思う環境が少ない事は由々(ゆゆ)しき問題である。
以前にも書いたが、戦国の折の言葉に「裏崩れ」と言うのがある。
前線で戦っている兵士に対して、後方の兵士が逃げ出し、それが全軍の敗北につながる。
これは、今の理美容業界も同じ事が言えないだろうか。
美容学校の学生が業界を見放しているのが、それを語っている。
今までの美容業界の常識が、美容学校の学生には通用しない。
理美容業界の常識が世間の非常識とまで言わないが、
スタッフを雇用する以上、その環境整備を行なう事は当然であり、義務でもある。
それが出来ないのであれば、スタッフを雇用する資格がない。
もっと言えば、今までの状況が異常であったかもしれない。
自分で自分の首を絞(し)めているのが、今の理美容業界ではないだろうか。
では。