先週、連載記事でご協力いただいている某有名美容室に行った。
繁盛サロンは、お金の使い方に一工夫があると言うのが、連載の趣旨。
今回は、カリスマ性がある店長の独立に伴(ともな)う出来事を話してくれた。
この有名美容室は独特のシステムがあり、独立する店長と一緒に、
スタッフとお客さまが移動する事を奨励(しょうれい)している。
東京・原宿周辺の一等地にある空き物件を探し、そこに独立する店長が移動する。
それに伴い、カリスマ店長と共に移動するスタッフの選考を行なっていた際、
時代の変化を肌で感じる出来事があったと言う。
4~5年のスタイリストは選ばれた事に対して感激し、恐縮しつつも即答で移動すると言う。
それに対して、1~2年目のアシスタントスタッフは、
教育システムなどの雇用環境について質問され、納得しないと移動しないと言う。
これは言い換えれば、美容師の価値観が大きく変わろうとしている顕著な例かもしれない。
この1~2年目のアシスタントスタッフがスタイリストへ成長しても、それは変わらないのでは。
となれば、今後は新卒の美容師が就職サロンを決める際、サロンブランドに加え、
教育や社会保険の充実などを含む、サロンシステムの存在が大きなポイントになる。
つまり、教育システムや雇用環境の整備を行なったサロンが、
今後、優秀なスタッフを雇用する事ができる時代になるとも考えられる。
であれば、その分野に対して先行投資できるサロンが、大きく飛躍するかもしれない。
いつの時代も人が財産なのだから。
理美容業界の就労は低賃金、長時間労働が当たり前の昨今ではあるが、時代は確実に変化している。
その時代の流れに沿ったお金の使い方が出来るか否か。
そこに繁盛サロンとなるヒントが隠されている様に思うのはオイラだけだろうか。
ちなみに、その有名美容室では、今後も人材教育に対して前年以上の予算を組んでいる。
では。