木戸修と言うプロレスラーがいた。
プロレスの神様カールゴッチに、アントニオ猪木を差し置いて、我が息子とまで呼ばせた素質を持つレスラーだ。
いぶし銀と呼ばれるファイトスタイルは、派手さはないものの根強いファンが存在した。
オイラもその一人。
藤波辰巳・木村健吾という当時不動のチャンピオンに対して、前田日明と組み挑戦した。
チャンピオンベルトがかかっていた試合。
当初、前田のタッグパートナーは藤原嘉明。
しかし、藤原の怪我のため、木戸が急遽パートナーに指名されて出場に至った。
当然、誰しもが藤原の格下である木戸が3カウントを取られ、敗北を喫すると思っていた。
オイラも、そう思っていた。
が、蓋を開けてみると、木戸がまんまと3カウントを奪い取ってしまったのだ。
しかも、その試合が本邦初公開である、キドクラッチと言う一瞬を付く技で。
誰しもが負けると思っていた木戸が、勝ってしまった光景は今でも鮮明に覚えている。
今更ながら、その時の勝因を分析してみると、木戸修と言うプロレスラーは、
地味ではあるが、誰にも負けない技をいくつか持っていた。
カールゴッチ自伝の関節技、そしてベテランらしく相手の隙をつく固め技だ。
理美容業界を見ていると、どうも大手の理美容室や、
原宿や青山などの美容室をマネする事がスタンダードとされている風潮が強いと感じてしまう。
あの理美容室が行なっているから、ウチでも…といった具合に。
確かに、それも正解の一つかもしれないが、まずは自店の置かれた環境を知る事が必要ではないか。
業界紙・誌の責任も大きい。オイラ自身、反省している。
ちょっと有名な理美容室を取り上げれば、部数が伸びると思っている傾向が強いからだ。
自分自身の強みに特化すれば、自ずと結果が得られると考える。
原宿や青山よりも、地域に溶け込む事が良い場合も多い。
冒頭の木戸修ではないが、自分の獲物・武器を磨き貫き通せば、
例え劣勢であっても、勝利をもぎ取る事が充分可能であるのだ。
余談ではあるが、木戸修の髪型はアイパーであったと思われる。
過酷な試合中であっても、一切乱れる事がなかったからね。
では。