理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

マグロが泣いていた

昨晩、某理容学校の先生と飲んだ。

地元駅で降り、テクテク歩いていると、一軒のお寿司屋さんがある。

店頭にメニュー表もなく、薄暗い感じ。

いつも店先を通るのだが、大抵は板さんがテレビを見ている。


今日は、ちょっと入ってみるか。

ある意味、怖い物見たさである。

カウンターに座り、ビールを頼み、肴はマグロにした。

愛想の良い板さんとおかみさん。

地元の話で盛り上がりつつ、板さんの包丁さばきを見ると、見事である。

マグロが届くのだが、クジラのような赤さ。

真っ赤なのだ。

はじめて見た。

良い仕事をする、と思った瞬間である。


がしかし、お店が汚いのだ。

物凄く。

こ上り席らしきスペースがあるが、訳分からないモノがたくさん置いてあり、

物置状態となっている。

カウンターには、板さんが新聞を読むときに使用するのだろうか、

虫眼鏡や老眼鏡が無造作に置いてある。

お寿司屋さんには全く関係ないモノばかりなのだ。

世間話や地域の情報の話はするのだが、真っ赤なマグロについては一切の説明がない。

真っ赤なマグロを見た瞬間のエロ侍の顔を見れば???となっているのが分かるはず。

つまり、板さんは客の顔を見ていないのである。


このような状況下で食べたマグロの味は、至って普通。

ツマなども、細部に渡って職人的な技が冴えているにも関わらずだ。

よく見ると、マグロが泣いていた。


キレイ・汚いと言った判断基準は老若男女一緒。

ならば、キレイにするべきではないか。

衛生同業組合の管轄である業種なら尚更。

お寿司屋さんも、理容店も、繁盛しない根幹には、それがあるのではないだろうか。