理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

審査委員

ヘアカットコンテスト。

理・美容師がヘアスタイルを創り、審査委員が審査して優劣をつけ、総得点を競う。

内容に多少の違いはあるが、全国各地多種多様なコンテストが開催されている。

出場者、審査委員ともに理・美容師であるが、

そこには審査委員が師匠で、出場者が弟子や関係者と言うケースが時々ある。

親心が働くのだろうか、弟子や関係者の採点には少々甘くなる事もある。

コンテストの規模が小さくなれば、また地域に密着して開催していると、その度合いは益々強くなる。


以前、ある年配の理容師さんが、こんな事を言っていた。

当時、最も権威があった理容組合主催のヘアカットコンテストに出場した際、

かなりの僅差で優勝を逃し、準優勝を獲得した。

出場した理容師さんの師匠は、そのコンテストで審査委員を務めていた。

で、表彰式のあと審査委員を務めた師匠に準優勝であった事を報告した際、

「本当は、お前が優勝だった」と言う言葉が返ってきた。

つまり、師匠である審査委員が、あえて低い点数をつけたため、僅差で準優勝になった。

師匠が優勝させなかったのだ。

理由は、優勝したら天狗になる。その一言だったと言う。

その理容師さん曰く、当時は憤慨やるせないものがあったが、

悔しさをバネに頑張ってきた今となって考えると、それで良かったと語る。

エロ侍は、その理容師さんのカット授業を受けた事があるが、やはり上手くて早い。

そして多くの弟子を育成しており、人間的にも尊敬できる。


ヘアカットコンテストでは、審査委員が、弟子や関係者だからと言って、採点を甘くする風潮が多い昨今。

そんな事が無意味であると思うのはエロ侍だけだろうか。

ちなみに、時々だがエロ侍も審査を行なう事があるが、知り合いには絶対に高得点をつけない。

それがエロ侍なりの誠意と考えるからだ。