小さな理容室に、おじいちゃんとおばあちゃんがご来店。
おじいちゃんは、勧められるがままに店内に入りますが
おばあちゃんは、なぜか店頭にたたずみます。
「お店の中の方が暖かいので」と言うと、笑顔で
「もうすぐ孫が来るんです。目が見え難いけど…ほら、あの自転車」
少し遅れて到着したお孫さんは、高校生。
待っていた、おばあちゃんに対し
照れ笑いのまま一緒に入店。
お孫さんが高校3年生になるまで、同じ理容室で髪を切るのが
おじいちゃんのルール。
今日も男同士、隣に座るものの
互いに、何も話すこともなく過ぎる時間。
とは言え、おじいちゃんと理容師
孫と理容師との会話を、双方が耳にすることで
孫と理容師との会話を、双方が耳にすることで
なんだかホッとするから不思議です。
そんな二人の後ろ姿を見守るのが
おばあちゃんのルールであり、密かな楽しみ。
誰かを待つ時間を、楽しむ。
それも、理容室の利用方法かもしれません。
(このお話は、約8割の事実に対して約2割の妄想を付け加えております)