理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

成功事例をマネする事は良いけど・・・

電話が鳴る。

「理容師の定義について教えて欲しい」と受話器の向こうで言っているらしく、

受け取った弊社スタッフは、どうもこの手の電話に対して、オイラに振ってきます。

そんな隠れマニュアルでもあるのか、と思ってしまう(汗)。


まぁ、そんな事は別段良いとして、そもそも、なぜ、そのような質問をするのか、

と聞いてみると「サロンコンセプトのシフトチェンジ」だそうです。

続けて、どうしてシフトチェンジをするのか、その経緯と言うか理由を聞くと、

「ヘアサロンの業態に個性が少なくなっている現状、他店との差別化を図るため」

そのように教えてくれました。

要は、新規出店されるヘアサロンの多くは理容の美容の判別がつきにくく、

大概がオシャレな感じの雰囲気だから、自店は原点(理容店)に戻り、

理容師の定義を書いた紙を大きく店内に貼り、スタッフや顧客に対してアプローチすると言うのです。

狙いの客層は40歳以上の男性客、とも語ってくれました。


技術講習会などで良く聞く言葉に「基礎・基本が大切」とあります。

流行技術を勉強するにしても基礎・基本がマスター出来ていないと、

結局は時間ばかり必要となってしまい、だからこそ、

最初の段階で基礎・基本をしっかり身に付ける事が肝要なのかもしれません。

これは、技術のみならずサロン経営にも同じ事が言えると思います。


とある方から、こんな話が聞こえてきました。

「効果的なマーケティングについて説明する際

ランチェスター戦略と言う言葉を使用するか否かで悩み、

多くの理美容師さんに意見を聞き、最終的には使用しなかった」と。

さらに続けて「マーケティングそのものには興味があるのだが、

専門用語には興味がないと言う結論に行き着いたから」とも語ります。


冒頭のヘアサロンの話に戻しますが、理容の定義をサロンに大きく貼る事も良いのです。

しかしながら、それだけで効果が得られるのか疑問であり、

その旨を話そうとしたところ、口調から電話を切りたい感じがしましたので、やめました。


常々思っている事なのですが、多くの皆さまのご協力とご厚意によって、

このブログから情報を発信する事ができています。

取材で聞いた成功事例や、セミナーで聞いて勉強になった事など。

これらは、ご協力いただいた方々が自ら考え抜いた結果であり、

となれば、それらの成功事例をマネしたところで、

瞬時に自店が繁盛するのかとなると、そうではないと考えます。


確かにマネする事や成功事例を共有する事は良い事です。

ただし、人マネだけ、良いとこ取りだけでは通用しない事は、オイラ以上に

現場に近い理美容師自身が肌で感じているはずです。


端的に言うと、儲かる仕組みを模索するために、効果的な成功事例を数多く知り、

どのタイミングで、何と組み合わせて、どのようなアプローチで、

そのような複合的な判断が根底にあり、そして実行する事が必要ではないでしょうか。

一つの成功事例を分析していきますと、多くの要因が存在すると考えています。

まずは、そこを知ることが肝要なのです。


だからこそ、成功事例をマネして効果が得られないからと言って、

すぐに違う事例に飛びついてしまう事の繰り返しは、儲かる仕組みを確立するまでに、

かなりの時間を要すると思ってしまいます。


本日の一本の電話から、そのような事を学びました。

偉そうな事を書いてしまって申し訳ありません(土下座)。