だいぶ前の話だ。
「エロさん。俺が作ったヘアスタイルが掲載されているRIKEI(弊社発刊の雑誌)、貸してくれない?」。
とある理容師さんに、こんな事をお願いされた。
もちろん、貸し出すのは全く問題ないが、その理由を知りたくて聞いてみた。
すると、こんな答えが返ってくる。
「いよいよ独立する事になって、いま、金融機関に融資をお願いしているから」と。
つまり、こうだ。
融資担当者に「俺は、業界誌に掲載されるくらい業界で活躍しているんだ!」と言うのを知ってもらいたいのだ。
業界誌に掲載される事が、即ち活躍している事とは直接的に結びつかないが、
お願いされた人には、そのような考えがあるようだ。
「掲載させていただいた雑誌全部となると、かなり重くなるから、コピーでいいですか?」と聞くオイラ。
「いや、雑誌の方がいいっす!」と即答される。
別の美容師さんからは、このような話が聞けた。
「今度、独立するんです。物件もほぼ決まっているんです。」と。
嬉しいことだ。で、融資について聞いてみると…
「オーナーの推薦状があるから大丈夫です! 見ます?」。こんな応えが返ってくる。
拝見すると「何年間マジメに働き、○○のカットコンテストで優勝して、
指導した後輩も○○のカットコンテストに優勝した。○○(オーナー名)」とある。
オーナーは理美容業界では名の知れた人である。
「これがあれば、融資も大丈夫っすよ!」と胸を張る美容師君。
本日、お気に入り登録させてもらっている「融資担当者・伊藤祐太郎」さんにお願いしていた、
融資担当者側から見た、事業計画書の良し悪し(仮タイトル)が届き、早速、拝読させてもらった。
素人のオイラにも非常にわかりやすく、的を得た表現などが数多くあり、多々勉強になった。
その中で、こんな一文が目に付く。
「カリスマ美容師だからと言うのではなく、確実に返済してくれる経営者に融資したい」と。
その見極めが事業計画書なのである。
借りる側の思惑と、貸す側の思惑に、こうも違いがあるのだろうか。
前述の2名の話は極端かもしれないが、融資を受ける以上、
貸す側が何に重きを置いているのか、その点を知る必要性があると思うのはオイラだけか?
末文になりましたが、伊藤祐太郎さん、有難うございました。
今後も理美容業界の為にご協力いただければ幸いです。
では。