理容師カフェ‐小さな理容室の販促物語‐

家族経営の理容室が日々、行なっているちょっとした宣伝事例を情報共有します。

小説 組織改革物語24話 開始

この物語は、著者のご好意によりRIKEI(理美容教育出版社発刊)2003年9月号から11月号にて掲載した原稿を、当ブログに転載させていただきました。毎週金曜日にアップしていきます。

理容組合は生まれ変われるのか、改革を目指した男たちの記録

著 吉田裕幸HIRO・YOSHIDA(OFFICE・HIRO主宰 )
全理連業界振興論文最優秀賞受賞

主な登場人物
杉山稔(副理事長・企画室長)
藤川慎一郎(助講師・企画委員)
鈴木健志(県青年部長・企画委員)
中村雅夫(企画委員・元県常務理事)
竹中敏夫(理事長)
山崎光輝(弁護士、吉川の友人)
佐藤隆(組合事務局長)


改革案策定着手から二年と九ヶ月。

三度目の総代会の日を迎えた。

紆余曲折を繰り返しながらも、新しい組織はスタートラインに立った。

鈴木も藤川も、そして寺井も組織の一員として参画することになった。

これからが本当の改革なのだ。

その日の朝、中村は山崎の事務所に顔を出した。

山崎は自慢のコーヒーを勧めた。

「今日は総代会だろ。行かなくてもいいのかい。ちゃんと見届けてこいよ」

「いつか君が言ってたじゃないか。

お前の役目は終わったから、あとは次世代に任せろって。そのとおりさ」


「で、組合は何か変わったのかい」

そのとき事務所の電話が鳴った。

忙しそうだからと言って、中村は立ち上がった。

「おい、答えはどうしたんだ」

「そのうち考えておくよ」

外は初夏の日差しが眩しかった。

駐車場を囲む植え込みが、鮮やかな緑に萌えていた。


第一部 改革前夜 終わり

来週からは、第二部 改革実行後編がスタートします。


第二部第一話 紙一重
http://blogs.yahoo.co.jp/eroisamurai/38478325.html?type=folderlist